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チガサキゴトよ、チーガ

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中国料理 桜花亭(おうかてい)

元町

年季の入った中華鍋から繰り出される、
豪快にして繊細な四川料理

桜花亭
四川名菜よだれ鶏 2,000円

 オレンジ色に燃え盛る炎の上で、休む間もなく働き続ける中華鍋。その両端は、心なしかわずかに歪んで見える。「5年以上使ってると、こうなってくるんだよ」と教えてくれたのは、桜花亭の店主で料理人の桜井祐一郎さん。鍋の歪みも鈍い黒光も、炎とともに数々の料理を生み出してきた証、ということらしい。

 その使い込まれた鍋を操る桜井さん腕も、むろん手練れだ。日焼けした筋肉質の腕で魚や野菜を次々に料理していくさまは、惚れ惚れするような男っぷりだが、出来上がった料理はどこか繊細で気品がある。盛り付けにも味付けにも、ほどよい抑制が効いているのだ。

 例えば、四川料理を代表する「よだれ鶏」。店によってはタレにラー油をたっぷり使うところもあるが、桜花亭ではそこまでラー油を使わない。

「油のプールに鶏が浮いているような店もあるけど、そんなふうにしちゃうとお客さん、食べにくくなるから。そこはちょっと控えめにね」

 ただし、素材そのものへのこだわりは譲らない。ラー油の唐辛子は本場四川省のものを仕入れ、鶏肉は食感のよい丸鳥を使用する。四川の唐辛子は他と比べて香りも辛味も、全然違うのだという。

 そのこだわりの理由は、一口食べればすぐにわかる。赤褐色のタレは辛さの中に風味が際立ち、丸鳥の肉質は噛むうちにとろけてくるような柔らかさ。付け合わせのネギやパプリカとともに食すと、辛味がわずかに和らいで、箸が止まらなくなること間違いない。

唯一無二の風味と食べごたえを生み出す、
気配りに満ちた下ごしらえ

桜花亭
牡蠣の醤油味炒め1,500円
(タカノ爪唐辛子炒めでのオーダーも可)

 桜井さんの料理人としてのこだわりは、調理の下ごしらえにも感じられる。「白身魚の醤油味」では、魚の骨を丹念に取り除いて下味をつけ、さらに衣をつけて高温で揚げてから野菜と炒める。こうすると、外はサクッと、中はジューシーという最強の食感が楽しめる。

 また、味付けのベースとなる醤油には少しだけ酢を加え、塩味の角をとっておく。この一手間が、さっぱりまろやかな口当たりの醤油味に仕上げるのだ。

 そして、何と言ってもトドメはマンゴープリン。マンゴーは缶詰でなくフレッシュを使い、繊維を壊さないよう包丁ではなくホイッパーでざっくり粗く潰していく。繊維の食感を残したほうが、マンゴーらしい風味や歯応えをより楽しめるからだ。

 メインの料理からデザートまで、桜花亭のすべての料理には、お客さんを喜ばせるきめ細やかな工夫が随所に施されているのだ。

名店での経験と
確かな技術をひっさげて、
戸塚から地元・茅ヶ崎へ堂々凱陣

桜花亭
白身魚の醤油味 1,200円

 桜花亭はもともと戸塚で人気の中国料理店だったが、縁あって地元茅ヶ崎に舞い戻り、2019年7月茅ヶ崎駅北口に移転オープンさせた。

 自分の店を持つ前は、四川飯店、トゥーランドット、目黒雅叙園、 ホテルメトロポリタンなど数々の名店で修行を積み、料理長も経験したが、最初のデビューはホールのボーイ。厨房で大きな中華包丁と中華鍋を振う料理人の姿に憧れ、「いつか名店の料理長になってやる」と心に決め、中華のコックを目指したという。

桜花亭
フレッシュマンゴープリン 480円

「最初はもちろん包丁も握らせてくれない。来る日も来る日も皿洗い、鍋洗いの繰り返し。四川料理って小さい鍋で作るから、洗わされる鍋の量もハンパないの。今と違って教えてくれないから、洗い物しながら先輩の仕事を見て、学んで、盗んで。昔の料理人の修行って厳しかった。そういう時代だったんだよなあ」

 ランチの終わった店内の床を、桜井さんは隅から隅まで丁寧に磨いていた。「汚れが残っているの、許せないからね」。一流の料理人は、ホールへの気配りも一流なのだ。

桜花亭
桜花亭
桜井祐一郎さん

INFORMATION

中国料理 桜花亭(おうかてい)

住所 元町4-23-6 ルピナス元町102
駐車場 Pなし
TEL 0467-33-5654 ★テイクアウト可
営業時間 11:30~14:00(L.O.) 17:00~21:00(L.O.)
定休日 火休(祝日の場合は翌日)

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