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ハマオリミコシ〈第2回〉

いちねんじゅう浜降祭のこと

ご縁に導かれた浜降祭

齋藤あゆ美 
英文/コントレオン ジョージ

 コロナ禍の2021年末にオーストラリアから日本に移住、茅ヶ崎暦もまだ1年半ですが、夫のジョージは今年、八大龍王神のお神輿を担がせていただきました。今日は、私たち家族が運命に導かれるように浜降祭に参加することになるまでのストーリーと初めての浜降体験についてご紹介したいと思います。

  不思議なルールがまかり通っていたコロナ禍の世界。日本行きのビザは、なぜか豪州国内の他州への移動許可より先に降りました。さらに、たまたま日程を早めて無事日本に入国した次の日に日本の国境が閉まるというニュースが!私たちは日本に呼ばれていたのかもしれません。

 そして、海のそばに住みたいジョージは茅ヶ崎を気に入り、ちょうど希望に叶うお部屋をトントン拍子で借りられることに。近所に、どっこいファームの吉野さんが野菜を売りに来ていて、畑に遊びに行ったり交流するようになって、浜降祭のことを知ることになりました。

 「偶然」に後押しされご縁がつながり、気づいたら、浜降祭の担ぎ手になることが決まっていました。

 浜降祭当日は、深夜のお発ちから儀式後浜から出発するまでの約8時間参加させていただきました。4年ぶりの開催で混雑はしているものの、子連れの私たちへ気を配ってくださり、和やかな雰囲気。皆さん初参加のジョージをサポートしてくださり、 愛が溢れるお祭りでした。ここで、無口な男ジョージの感想を紹介します。

I became very interested in the Hamaori festival since I first learnt about it. Although I never imagined that I, a foreigner with limited Japanese language skill, would have the opportunity to help carry the Omikoshi.  I was pleasantly surprised when the opportunity arose, immediately accepting the potentially once in a lifetime chance.  Prior to the Hamaori, I attended the omikoshi group meeting and guidance where everyone I met was very welcoming and kind, making me feel more comfortable to participate on the festival day.  On the festival day, when I finally carried the Omikoshi, it was so much fun.  The way in which the community works together, and the atmosphere of the festival gave me a sense of ease, which is amazing considering I was helping carry something so heavy. 

I recommend everyone try this experience, and I will certainly join in again.  Chigasaki locals are very warm and relaxed, making me feel comfortable even though I stick out.  This experience added to my feeling that coming to live in Chigasaki was very lucky.  The longer I spend here, the more attached I become!

訳;浜降祭のことを初めて知った時からとても興味はありましたが、まさか外国人で日本語もうまくない自分がお神輿を担げるとは想像もしていませんでした。なので、そういったお誘いがあった時は良い意味で驚きましたが、一生に一度あるかないかのこのチャンスを逃してはいけないと思い、即座にやると決めました。事前に、お神輿グループの会や浜降ガイダンスに出席しましたが、会う人みんなとっても親切で歓迎してくれ、当日への不安がかなり和らぎました。当日、ついにお神輿を初めて担いだときは、本当に楽しかったです。一度雰囲気の中で一体化すると、他のことは全て忘れさせられるような、とっても素晴らしい気持ちになりました。みんなに一度経験してみることをおすすめします。私もまた、絶対担ぎたいです。茅ヶ崎の人々は、とてもあったかくリラックスしていて、目立つ私もとても心地よく快適に過ごせています。浜降に参加してますます、茅ヶ崎に住めてラッキーだと感じました。住めば住むほど、茅ヶ崎が大好きになっています。

 一方、妻である私は横浜市出身ですが、コミュニティやお祭りがない地元に育ちました。ちなみに多民族国家のオーストラリアにもそういったものはなかったです。お祭りなどに興味を持ったことがなかった私が大人になって、こういう文化を今もなお継承している茅ヶ崎の素晴らしさ、暖かさ、そして継承しようと頑張っている人たちの努力と熱い想いに触れ、心の周りにあった冷たいものが溶かされるように、純粋に感動したんです。

 2歳半の娘にとっても、もちろん人生初の浜降祭。当日は真夜中から暑い中連れ回して、少しかわいそうなことをしたかも?という不安もありました。でも、浜降祭が終わってからもずっと、娘は「どっこいどっこい」のリズムに合わせて腕を振ったり、思い出話を嬉しそうに話していたり。連れて行って本当によかったと思っています。私の幼少期にはなかった「日本の文化や地域のコミュニティに参加する」という経験をさせてあげられて、素敵な日本の原体験ができたと感じられました。ハーフの娘が、もしいつかアイデンティティーを見失いそうになった時、この原体験が「私は日本の文化の中、帰属する場所を持ち、そして日本の良さを享受して育った」という自信に繋がってくれることを願っています。

 さらに今回、外国人のジョージがお神輿の担ぎ手になったことで、面白い現象が起きました。今まで浜降に興味がなかったという茅ヶ崎に長く住む友人たちも、ジョージが担ぐのを見るために浜降祭にきてくれたんです。

 それを見て、気づきました! 私たちが浜降祭に参加し純粋に楽しむことで、美しい日本の文化を後世に残し、広く世界へ伝えるお手伝いになり得るのだと。私たちのできる方法で貢献して、温かく迎え入れてくれた茅ヶ崎のコミュニティに恩返しできたらいいな、と感じています。


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