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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.24
ノコギリクワガタ
DATA : 北海道、本州、四国、九州まで広く分布する。体長オス27〜77mm、メス23〜41mmほど。茅ヶ崎市に生息するクワガタ虫の中では最大の種。大型のオス個体は大顎が強く湾曲した姿から水牛ノコと呼ばれることがある。
⌘ 迫力満点の大型クワガタ虫
ノコギリクワガタは最大で70mmを越える事もある大型種です。大型になるほど大顎が発達し内側に強く湾曲します。この顎で相手をガッチリホールドした後、投げ飛ばしてしまいます。
⌘ ノコギリクワガタは何処にいる?
クヌギやコナラの樹液が大好き。茅ヶ崎市北部丘陵や、相模川河川敷のクルミやヤナギ類に良く集まります。
⌘ 採集する必殺技はキック!?
効率の良い方法、それはズバリ「蹴り採集」です。①朝早く起きてクヌギ林に行く。②クヌギの樹を片っ端から足でキックして廻る!タン、タン、タンッと3回リズムよく蹴る。ノコギリクワガタは樹液のそばだけでなく肉眼では見えない場所にもいます。蹴る事で振動が伝わり地上にポトっと落ちてきます。注意点としては①風が強い日②雨が降っている日 こんな日は採れません。風が強い日には飛ばされてしまわないようにしっかりと爪で木に掴まってしまうので、蹴っても落ちてこないのです。また、足の具合が悪い方は(私もです)、大きめの「木槌」を使うのも良いです。金槌は木を痛めてしまうのでNGですよ。
⌘ 何故、落ちてくる?
何故、落ちてくるかと言うと、鳥などの天敵から逃れる為の行動なんです。天敵が接近した時には素早く脚先の爪で振動を感知して瞬時に脚を縮めて木から落下します。素早く飛行出来る昆虫では無いので素早く地上に落下してしまった方が逃れる確率は遥かに高くなるのです。
⌘ 観察、採集に最適な時期は?
茅ヶ崎市にはノコギリクワガタ以外に、コクワガタ、ヒラタクワガタが生息しています。それぞれ微妙に採集時期、採集方法は異なりますが最も採集しやすい時期は6月下旬〜7月中旬です。真夏になると樹液酒場は強者「ヤマトカブトムシ」に独占され、クワガタは追いやられてしまいます。クワガタを採集するには夏休み前が一番良いと言う事を覚えておいてください!
小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。
水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki