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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.30

コクワガタ
DATA : 体長オス18〜50mmほど。メス22〜28mmほど。成虫は5月から9月末まで活動する。北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島など周辺離島に広く分布。最も身近に見られるクワガタ虫。
⌘ オオクワガタに似ているコクワガタ
小型なクワガタだから「コクワガタ」。茅ヶ崎市で見られるオスは30〜40mm前後が多く、最大級で46mmほどです。自身では東北地方では過去に50mmオーバー幾つか採集したことがありますが、東北にはそのサイズにまで育つ環境や条件があるのだと思います。コクワガタは大人気の「オオクワガタ」に近縁の種類なので形が似ています。しかしながら茅ヶ崎市でのオオクワガタの生息は確認されていない※ので種類を間違うことはないと思われます。
※「神奈川県立生命の星.地球博物館」発行「神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006」によるとオオクワガタは県カテゴリー・絶滅危惧1類に指定され「ここ数年得られていない」と記載されています。以降も正式な採集報告はありません。
⌘ 採集はアイツのいない時期に……
Cheeegaではこれまでにヒラタクワガタ、ノコギリクワガタを紹介しました。採取の場所はこれらと同じくコクワガタもクヌギ、コナラ、ヤナギ類などの「樹液酒場」がポイントで、時期は、カブトムシが樹液を独占する真夏を外した、6〜7月中旬と9月が狙い目です。
⌘ コクワガタを越冬させるには
コクワガタは市販の昆虫マットを飼育容器に詰めて市販の「昆虫ゼリー」を与えておけば容易に飼育できます。注意点はマットを湿らせておくこと。カラカラに乾燥したらコクワガタもカラカラに干からびて死んでしまいます。冬はマットに潜って冬眠しますから無加温室内で管理します。冬もカラカラにしてはダメです。こんな感じで2年ほど飼育出来ます。また、飼育方法が確立されたオオクワガタと全く同じ方法で増やすことができます。増えた幼虫から50mmを越える「大きなコクワガタ」に育てあげることもできますよ。

小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。

水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki