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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.31

アオスジアゲハとコスモス
DATA : 本州以南に分布するアゲハチョウの仲間。前翅長30〜45mm。5〜10月まで見られる。羽根の青緑色の帯が特徴。
⌘ “the SHONANの蝶”
私観になりますが。アオスジアゲハは夏の湘南を代表する昆虫だと思っています。それは遭遇率の高さ、すなわち「安定した生息環境」が湘南の地域には安定して幼虫達が育つ環境が整っているということがその理由です。
⌘ アオスジアゲハはどこにいる?
様々な花から吸蜜する様子など、茅ヶ崎付近にはアオスジアゲハが普通に見られます。特に蔓性植物のヤブガラシの花など、やや高い位置に咲く花がお気に入りのようです。
アオスジアゲハは海岸近くから低山地まで見られますが、特に多くの個体が見られるのは公園や博物館、図書館などの公共施設です。これらの施設周辺には幼虫の食草になるクスノキや、タブノキが植栽される事が多くアオスジアゲハにとってオアシスみたいな環境なんです。
⌘ 遭遇するのは容易だけれど……
アオスジアゲハは発生時期であれば容易に遭遇できる普通種のアゲハチョウです。しかし、素早く羽根を動かしながら止まることなく移動を繰り返すので、ジックリと観察することがとても難しい昆虫です。採集網で捕獲するのも結構大変ですよー。

小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。

水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki