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茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫

「イワシ」と「塩」だけでつくられたどこまでもシンプルな旨み調味料。
でもね、ポトリと垂らしてみてびっくり。どんな料理も見違えちゃうんです。

茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫
「茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫」(180g・700円)
廃棄されてしまう魚でつくった茅ヶ崎産の魚醤。添加物は不使用。
イワシのほか、サバ、カマス、ソウダガツオなど季節ごとに違った風味を楽しめる。

茅ヶ崎の魚をつかって、茅ヶ崎でつくる。

 ポトリ。「えぼしの雫」最初の一滴が生まれたのは、今から六年ほど前。南湖の老舗お寿司屋さん「欣ずし」の店主・小又学さんは、茅ヶ崎産のイワシを使ってアンチョビをつくろうと試行錯誤を重ねていました。きっかけは、「茅ヶ崎の名物をつくってみたいな」と思ったこと。イワシを塩漬けすると、出てきたのは濁った塩水。これをある手法で澄ませてみると見事にハマり、クリアで美味しい魚醤ができあがりました。

茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫

人のつながりが生み出した“しずく”

 ポトリ、ポトリ。料理人ならではの目利きと技術が生んだ珠玉の“しずく”
に、「これはいける!」と、アンチョビではなく魚醤の商品化を決意。材料には、規格外や穫れ過ぎを理由に廃棄されてしまう魚を有効利用することにしました。パッケージデザイン、商標登録、ライセンス確保など未経験の分野は、お客さんからの紹介や、信金さんからのアドバイスなど、“人のつながり”で次々にクリア。「寿司屋の親父が包丁一本でやってたのとは違う、いろいろな人のご助言があってね。ありがたいね」と小又さん。二〇一九年一月、まちのみんなの力を借りて、「えぼしの雫」はお披露目となりました。

和洋中、そしてスイーツ。茅ヶ崎だけの“かくし味”

 ポトリ、ポトリ、ポワワ~ン。今、この“しずく”は波紋となってまちに広がっています。カフェではガパオライス、居酒屋さんでは燻製に卵焼き、パン屋さんでは食パン。「えぼしの雫」を使ったメニューが次々に登場し、ドーナツ屋さんからも「使ってみたい」との声が。お客さんからは「クリームソースに合う」「餃子の隠し味に」といった口コミもSNSで発信され、万能調味料としてまちのウワサに。小又さんもマルシェに出店したり、レシピ集をつくったり、ランチに魚醤を使ったラーメンを始めたり、寝る間も惜しんで駆け回っています。「時間も体力も使うけどさ、地元の人たちと一緒になってこれを知ってもらって、最終的に寿司屋の商売につながればいい。やっと芽が出たところだから、いつか実った果実をみんなで分かち合えたらいいよね」。ニカッと人懐っこい笑顔が魅力の小又さんの眼には、波紋が次々に広がっていく茅ヶ崎のまちが映っています。


㊗「茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫」は、この取材の後に「第20回湘南ビジネスコンテスト」で大賞を受賞しました。   

茅ヶ崎ナンプラー えぼしの雫

小又学(おまた・まなぶ)

茅ヶ崎市南湖在住。「欣ずし」(1967年創業)2代目店主。
19歳から板前の道に進み技術を磨いた後、2001年より現職。


writer:池田美砂子
フリーランスライター・エディター。茅ヶ崎市在住、2児の母。
大学卒業後、SE、気象予報士など会社員として働く中でウェブマガジン「greenz.jp」と出会い、副業ライターに。2010年よりフリーランスライターとして、Webや雑誌などメディアを中心に、「ソーシャルデザイン」をテーマにした取材・執筆活動を開始。聞くこと、書くことを通して、自分が心地よいと感じる仕事と暮らしのかたちを模索し、生き方をシフトしている。

INFORMATION

欣ずし

住所 神奈川県茅ヶ崎市南湖2丁目3−12
URL Facebookページ

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