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「パレスチガ」ちくちく手芸部
パレスチナの伝統刺しゅう“クロスステッチ”で声なき声に寄り添う

2025年2月、パレスチナの人々の暮らしを壊し続けるイスラエルの攻撃に心を痛めていた4人——古知屋恵子さん、榊原直美さん、簗場亜由子さん、明石東子さんが、「まずは話をしよう」と声をかけ合い、「パレスチナを想う小さなつどい」を開いたことから、この活動は始まった。この最初のつどいには10名ほどが集まったという。
集まって語り合ううちに、「何か自分たちにできることはないだろうか」という思いが、少しずつ共有されていった。そうして生まれたもののひとつが「ちくちく手芸部」だ。
パレスチナの伝統刺繍であるクロスステッチ(×字刺し/タトリーズ刺繍)を中心に、小さな雑貨づくりを行っている。手を動かしながら同じ時間を過ごし、情報を交換したり、学びを深めたりすることも、この場の大切な役割のひとつだ。参加することで、知らなかったことに出会うきっかけにもなっている。
手芸部の活動は、茅ヶ崎市内で月に一度、第三水曜日に開かれている。誰でも、ふらっと手ぶらで参加できるのが特徴だ。刺しゅうだけでなく、布を切ったり、紙を折ったり、スタンプを押したりと、関わり方はさまざま。都合のよい時間に会場を訪れればよく、事前の申し込みもいらない。参加者は茅ヶ崎だけでなく、小田原や座間、鎌倉など周辺地域からも集まっている。
集まりにはなかなか足を運べないけれど、自宅で制作に関わりたいという人のために、「内職部」向けのキットも用意されている。北海道から福岡まで、現在およそ20人が制作に参加しているという。
こうして生まれた作品は、日本各地のチャリティーイベントなどで販売され、材料費を除いた売り上げはすべて、パレスチナの人々を支えるための寄付に充てられる。
現在の寄付先はパレスチナの大学生二人。それぞれが指揮を取り、ソーラーパネルの設置をする費用になる。その電力でガザ中央部の2カ所で恒久的に井戸水を汲み上げるための動力をつくることができる予定だ。必要な総額は1400万円。2026年1月19日現在、1327万955円が集まっている。
この目標を達成したあと、手芸部の活動はどうなるのだろうか。古知屋さんに尋ねた。
「子どもたちの心のケアを行う施設や、テントでの厳しい生活を強いられている人たちへの寄付など、パレスチナの人たちに寄り添う活動を続けます。パレスチガは不当な占領を終わらせることを目指します」
「パレスチガ」は手芸部にとどまらず、映画鑑賞や紙芝居など、さまざまな取り組みを行いながら、その様子をSNSで発信している。





