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茅ヶ崎うまれの ものさがし
file. 03 pájaro(パハロ)
品よく、大人の遊び心ある帽子を
生み出し続ける、唯一無二の作り手

海外に出て旅先の写真を撮り、その土地で帽子の材料を見つける。ときには現地で糸を染めてその場で編んでみたり……。黒田さんは〈帽子〉と〈写真〉を〈旅〉で繋ぎつづけてきました。手法についてはそれまで定番だった『糸で編む』に、近年は『図面を引いて、布』『木型を使って、麦わら』などのバリエーションが加わりました。品がよくてチャーミング、守りに入らず大人の遊びごごろのある作風に定評のある黒田さん、さらにファンを増やし続けています。

私ごとで恐縮なのですが、手に入れたばかりの黒田さんの帽子をかぶって都内にいたときのこと。「真琴さんのお帽子ですか」と声をかけられたことがありました。黒田さんの帽子にはロゴマークのようなものはついていません。それでも知らない人に話しかけることができるチカラが、作品に備わっているようです。黒田さんに報告したところ、どうやら似たような現象はあちこちで起こっている様子。
帽子というアイテムはせいぜい頭に乗せるくらいのサイズしか持ち合わせていないので、オリジナリティを出すために工夫できることは少ないのではないかと、私のような素人は考えてしまいます。でも話をしていると、黒田さんにはどうやら帽子の可能性は無限に、人間の頭のサイズが地球ほどの感覚で見えているようでした。

黒田さんは茅ヶ崎っ子らしく、朝、海でボディボードをしてから学校に行くようなアクティブな面もありながら、一方でバイト代で質流れの一眼レフを買い、友人を撮ったりするような高校生でした。大学では写真を勉強し、写真を学んでいた頃に、最初の帽子を手がけます。かぶりたい帽子が売ってないので仕方なく自分で編んだのだとか。以来、ずっと手作業で唯一無二の帽子を生み出し続けています。
5月には市内で展覧会も催されるので、夏の一着に出会いに出かけてみてはいかがでしょう。

黒田真琴:帽子作家・写真家
1975年茅ヶ崎生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業。リクルート写真「ひとつぼ展」入選。個展を多数開催。
夏の帽子と旅の写真:okeba gallery & shopにて 開催延期 5月13日(水)〜31日(日)〔19日は休館〕★会期中、撮影イベントも開催
writer:小嶋
INFORMATION
pájaro(パハロ)
住所 | 鎌倉市扇ガ谷1-9-14 1F |
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TEL | 0467-24-2203 |
営業時間 | 11:00〜17:00 |
定休日 | 水・第3木曜休 |
URL | http://makotokuroda.com facebook : @Pajaropaharo instagram : @makotokuroda |