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JiJi
円蔵
まるで、童話に出てくる「気まぐれなパン屋さん」。ふと、そんなキャッチフレーズが思い浮かぶお店です。円蔵小学校のすぐ近く。芝生と木々に囲まれた民家の入り口にある「JiJi」と書かれた看板が目印です。もとは、店主・簗場亜由子さんのおじいさん(=ジジ)の家だったそう。山深いわけでもないのに、一歩敷地に踏み入るだけで、なんとなくの森っぽさを感じます。おじいさんの過ごしてきた時をそのままに残しているからでしょうか。そして、お店で明るく出迎えてくれる簗場さんと、簗場さんの母・石木ひろこさん。ポップな柄の手ぬぐいとエプロン姿、屈託のない笑顔にぐっと心を掴まれるのです。
以前は鎌倉のKIBIYA ベーカリーに勤めていた簗場さん。酵母パンで有名な店で、仲間に恵まれて楽しく働いていたところ、祖父が亡くなったことで一念発起。両親を説得してこの店を2011年にオープンしました。
上段手前からメロンパン 180 円、
さつまいもパン 180 円、ミルクパン 130 円
下段手前からシナモンロール180 円、
本の形のパン180 円ほかまるで何かの結晶のような、
角までも美しいミルク食パン 1 個 260 円
小ぶりでこんがりとしたキューブ型のミルク食パンは、コロコロと並んだ様子がフォトジェニック。ほんのり甘みのある生地がきゅっと詰まっていて、噛みしめるほどに風味が広がる。「この型でチョコ食パンも作っているんです。そこに、ミルク食パンの生地を入れてみました☆」と、遊び心でレギュラー入りした話も楽しい。
2019年、簗簗場さんの出産を機に営業日が変わったことでパンの内容も変わってきました。2日営業して、休みがあり、また2日営業というパターンなので、材料を少しずつ買うことに。そこで、旬の果物や野菜、クリスマスなら赤い実や、ココア、紅茶など、季節を感じさせる素材をその日その日の気分で使うようになったそう。「結構気まぐれなんですよね。予約を受ける時も何があるかわからないので、食パンだけ予約してもらって、あとは来た時に選んでもらってます」
必ず焼くのは、国産小麦と自家製酵母と塩だけを使った山型のプレーン食パンと、当初からの人気商品、クランベリークリームチーズ。プレーン食パンは、手にした時のずっしり感にまず驚きます。もっちりとして、どこまでもシンプルな味わい。スライスしてそのままでも、トーストして食べるのもグッド。
クリームパンとカレーパンも定番。中身は石木さんの手作りで、ありきたりでない、ここだけの味。メロンパン、シナモンロールも人気だけれど、こちらは毎日焼くのではなく、同じ生地を使って、次の日はドーナツにしたり、季節のパンを焼いたり。まだ見ぬパンに出合うため、度々通いたくなります。
「お客さんが来てくれることで、ひとりじゃないというか、お話ししていろんなことが広がっていったり。それが一番、楽しかったりしますね」
お客さんとの和やかなやりとりあってのJ i J i の日常風景が、穏やかに続いています。
writer:前田ゆかり
茅ヶ崎在住7年目、2男児の母。茅ヶ崎の街と人が大好きで、取材を通して新しい出会いに感謝しています
INFORMATION
JiJi
住所 | 茅ヶ崎市円蔵2-3-6 |
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駐車場 | P2台 |
TEL | 0467-52-1272 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00(日曜は~ 18:00) |
定休日 | 日・水・木休 |
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