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Pizzeria Ottavo(ピッツェリア オッターヴォ)
十間坂
「職人魂」が焼き上げる極上のピッツァ、
生地の秘密は「継ぎ足し」にあり!?
直径15センチほどに膨らんだ真っ白いつややかな生地を、ていねいにすばやく円形に伸ばし、下ごしらえした具材をリズミカルに載せていく。息つく間もなく窯に入れ、わずか1、2分足らずの間に贅沢な御馳走ピッツァに焼き上げて見せる。その手際はまるで熟練の手工芸品を生み出す職人技のよう。入念かつ大胆な仕事ぶりに、味への期待も大きく膨らむ。
「やっぱりスピードが大事ですね。考えてやるより本能、アドリブで。そのほうが楽しいし、味も決まる気がします」
もともと物作りを生業にしていたというだけあって、店主の新田裕司さんは感覚にこだわる。ものを食べるにも指先の感覚が大事だといい、ピッツァもフォークやナイフを使わず、できれば手で食べてほしいという。生地の柔らかさや焼き目など、指先から伝わる触感も味わいに影響を与えるからだ。
「うちのピッツァの生地は、鰻屋のタレみたいに、今使っている生地(兄生地)に新しい生地を継ぎ足しながら作っていくのが特徴です。シェリー酒やシャンパンではこれを『ソレラシステム』と言いますが、生地にこなれ感が出て、旨味がグッと深まるんです。それと、このやり方だと酵母もほとんど使わずに済むので、冷蔵庫の中で長期低温発酵することで、小麦の味や風味が十分楽しめる仕上がりになります」
確かに、オッターヴォのピザ生地は具材に負けず劣らず存在感がすごい。もっちりと柔らかく、小麦の甘味が口いっぱいに広がる。焦げ目がやや多く感じられるが、カリッとした香ばしさはむしろ食欲をそそる。
「うちのピッツァはどちらかというとしっかり焼きます。低速で引いた粉なので甘みがあり、さらによく焼くことで香りを立たせます」
粘り気のある力強い炎が出る太い薪をあえて使い、くっきり焼き目をつけて香ばしさを出す。本物のピッツァイオーロ(ピザ職人)は、生地はもちろん炎をも見事に操って見せるのだ。
使う食材は地元産と実家産。
季節ごとに変わる多種多様なトッピング
オッターヴォのピッツァは具材にもこだわる。この日作っていただいたのは、5種類のきのことモルタデッラというイタリアのハムを使い、半熟卵を乗せたビスマルク、そして神奈川の上質銘柄豚・やまゆりポークの赤ワイン煮とクレソンとアーモンドのピッツァ。食材はなるべく地元産を使うが、新田さんの実家から送られる季節の野菜やきのこもふんだんに取り入れる。
「トッピングは季節によって変えています。今回ビスマルクは、秋らしくきのこを使ってみました。きのこはあらかじめ炒めてオイル漬けにしてエキスを出しておきます。そうすれば短時間でサッと焼くだけできのこの旨味が楽しめますから」
ピッツァをさらに美味くする、
こだわりが詰まった
ナチュラルワイン
クセのないさっぱりした脂のやまゆりポークを使った赤ワイン煮は、香味野菜の香りと相まって、まさに期待を上回る脳天をつく美味さ。赤ワインの豊潤な香りが、これでもかと言わんばかりに効いている。
「料理酒ではなく、普段お店で出すワインを使ってますからね。うちのワインは全て造り手が丹精したナチュラルワインなので、赤ワイン煮もすごくコクが出るんです」
「ワインとピッツァ、ぜひコラボで楽しんでほしいですね。ちなみに、ビスマルクにはオレンジワインがおすすめです。桃のような、紅茶のような味わいのするワインで、奥行きがあって表現力があるという感じ。肌寒い季節はすっきりした白より、オレンジのほうがワインもピッツァも美味しく感じると思います」
店主が厳選したナチュラルワイン。白、赤、ロゼ、オレンジをいつでも楽しめる。
グラスワインは常時7種類、825円〜
じつは新田さんはかつてワインのインポーターをしていた。ワインに関してはいわばプロだが、彼が大事にするのは銘柄やトレンドではなく、造り手の人となりや個性。流行にとらわれず、オリジナリティを追求する造り手のワインを知って欲しいと、ピッツァや前菜などとともに7種類のワインを楽しむワイン会も月一で開催する。
ワインもピッツァも、わからないことや注文があれば何でも言ってみてください、と新田さん。敷居の高さを心配せず、イタリアの風を心ゆくまで楽しめそうだ。
INFORMATION
Pizzeria Ottavo(ピッツェリア オッターヴォ)
住所 | 十間坂1-4-2 Lively Ⅷ 1F |
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駐車場 | P1台 |
TEL | 080-5356-5075 |
営業時間 | 12:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~23:00(L.O.22:00) |
定休日 | 月曜、第1日曜・第3火曜休 |
URL | instagram@pizzeria_ottavo |