東海岸南

暑くなる季節におすすめしたい、
爽やかな酸味が楽しめる
「夏季限定 冷やしつけそば」

　キンキンに冷えたガラスの器。橙色のつけダレから香り立つ酸っぱ辛いトムヤムクンの香り。日ごとに暑さが増すこの時期は、スパイシーで爽やかな「トムヤムクン冷やしつけそば」がおすすめだ。

　食欲をそそるエスニック風味のつけダレは、レモングラス、生姜、唐辛子などのスパイスが効いたトムヤムダレにナンプラー、さらにレモン汁を絞って加える。辛さ控えめで、スープのコクと酸味が際立つ味は、年代を問わず誰もが楽しめそう。店主の小野田さん曰く、お客さんから「二日酔いにもいい」と言われることもあるのだとか。

　もう一つのおすすめは、中国の香醋（こうず）を使った「熟成香醋 冷やしつけそば」。こちらのつけダレは、香醋、醤油ダレ、オイスターソースほか数種類の材料を混ぜ合わせた「店特製のベースダレ」から作られる。香醋はアミノ酸やクエン酸が多く、健康効果が高いことで知られるが、一般のお酢より刺激が少なく、濃厚な香りや独特の風味が楽しめる。全体的にまろやかで食べやすいが、わずかにピリリと効いた辛味が、後味をグッと引き締めている。さらに食べたあと、ピッチャーに入れた熱いスープをそば湯のように注ぎ足していただくこともできる。

　ランチビール（２００円）とともにいただけば、ほてった体もクールダウン。この号が発行される頃には店で飲めるようになっていますように……。

震災で途絶えた福島の麺。
試作を繰り返し、新たな製麺所で再現

　つけそばは、麺が1.5玉で供される。汁そばと違って結構食べられるので、多めの量に設定しているのだそう。つけそばに限らず、全てのラーメンは全体のバランスが大事だと小野田さんは言う。　麺はもともと福島の製麺所のものを使用していたが、震災で途絶えてしまい頭を抱えた時期も。現在の製麺所に巡り合い、粘り強く試作を繰り返してかつての麺を再現した。常連さんからは、より美味しくなったと言われるほどの麺なのだそう。さっぱりしたトムヤムクンには細麺を、味が濃い目の香醋には中太麺を使用するという。

　ところで、どちらにも入っている極太メンマ。これ、普通のメンマよりかなりゴツい……ですよね？

 「まな板のような板状のメンマを、福岡から取り寄せています。中国の自社工場で原料から徹底的に品質管理をしている会社で、うちのスープに合うように味付けしてお出ししています。食べ応えがあるので、おつまみでメンマだけを召し上がる方も多いですね」

　ちなみに、チャーシューもメンマに負けず劣らずビッグサイズ。柔らかくこっくりと煮込まれた味わいで、お酒にもよく合いそうな一品だ。

　

　

どの世代にも親しまれる
「デパートの食堂」のようなお店を目指して

　ここ「ジャズ麺2.7」の店内は、文字通りジャズなどがゆったりと流れ、大人のムードが漂うが、道路に面した大きな窓が明るく開放的なためか、心地よくリラックスできる雰囲気に包まれる。ラーメン以外のメニューも豊富で、ラーメン屋さんというより、誰もが入りやすい食堂のような趣。実際テーブルも広くゆったりしているので、小さなお子さん連れや大家族も訪れる。

「目指したのは、デパートの最上階にある食堂ですね。ラーメンの種類も、乳幼児からお年寄りまで誰もが食べられるよう幅広く揃えました。お酒のおつまみになるメニューもたくさん用意しているので、夜は一杯やりに来ていただければ。もちろんお一人様も大歓迎です」