中海岸

試作を重ねに重ねたこだわりのバンズと、
良質の牛肉を使ったビーフ１００％パテ

　

　ゴマたっぷりのでっかいバンズに、チーズがトロリと被さったジューシーなパテ。分厚くスライスされたトマト＆オニオンと、ガッツリ差し挟まれた新鮮なレタス。この迫力満点のハンバーガーの名は「エイトバーガー」（写真：右上）。店主が推す看板メニューのひとつだ。

　早速バーガー袋に入れてガブリといくと、肉の甘味が口の中でジュワッ。柔らかいながら程よい弾力もあり、噛めば噛むほど肉の旨味が溢れ出す。パテはもちろんビーフ１００％で、和牛と輸入牛をブレンドしたものを使うと店主の山崎さん。

「パテの味付けは塩胡椒のみで、他のものは一切入れない混じりっけなしのビーフ１００％です。肉は信頼できる業者さんが選んだいい部位のものだけを使っているので、臭みはほとんどないと思います」

　パテもさることながら、負けず劣らずバンズも美味。ほんのりした甘味と、食欲をそそる香ばしい香り。これだけで食べても十分いける！　というくらい味がしっかりしている。

「バンズは市内の『ぱん・びより』さんから仕入れています。いろいろなお店に頼んでいくつも試作しましたが、うちとしてはこのお店のバンズが一番でした。お客さんからの要望もあって、これでもかってくらいゴマを振りかけてもらってます」

素材の味をシンプルに楽しむもよし、　
パンチの効いたソースとともに堪能するもよし！

　今回はもう一つ、クリーミーな味が楽しめる「アボカドチーズバーガー」も紹介しよう。「エイトバーガー」と並ぶ店の代表選手だ。

　「エイトバーガー」は、ハニーマスタードとピクルスを多めに使ったタルタルを仕込み、さらにアメリカンシュレッドとチェダーチーズの２種類のチーズを使い、香ばしさを出すために上からバーナーで炙る。メリハリのきいたパンチのある味を楽しむなら、数々の仕掛けが効いた「エイトバーガー」がおすすめだが、「アボカドチーズバーガー」の塩胡椒のみのシンプルな味付けも捨てがたい。アボカドなど素材のハーモニーを味わいつつ、途中でマスタードを投入して味変させていただくと、これがまためっぽう美味い。

「『エイトバーガー』は店の代表作ということでソースにまでこだわって作りましたが、『アボカドチーズバーガー』は素材の旨さを楽しんでいただくために、余計な味付けはしていません。二つとも見た目は似てますが、味は全くの別物と言っていいかもしれません」

　ちなみに、ハンバーガーはバンズが冷めないよう鉄板の上で組み立てる。よりホットな状態で提供したほうがパンの香りが立ち、何倍も美味しくいただけるのだ。またこの店では、基本のハンバーガーに好みの具材を追加することができる。自分だけのオリジナルを楽しむのもおすすめだ。

成功してもそこで終わハンバーガーに合う！　
何種類ものスパイスをブレンドして作る
「エイトコーラ」

　

　ハンバーガーのお供にぜひおすすめしたいのが、この店オリジナルの「エイトコーラ」。山崎さんが開発した手作りのコーラである。

「うちではもともと『コーラ』（世界初のクラフトコーラ）を出していたんですが、仕入れ先の卸しが間に合わなくなったのをきっかけに自分で作ってみたんです。きび砂糖の量を減らして甘さを抑えたり、柑橘系の種類を増やして酸味を調整したり、自分なりにアレンジを加えて仕上げました。ゆくゆくは地元のレモンやオレンジなどを使って、湘南らしいクラフトコーラにしたいですね」

　クラフトコーラには、天然のカフェインと言われるコーラナッツのほか、カルダモン、クローブ、シナモンなど10種類以上ものスパイスがブレンドされている。ピリリとスパイシーで、柑橘系の酸味が爽やかだが、漢方のような独特の風味もあってクセになりそう。夏バテ防止にも効きそうな、ヘルシーな味わいのコーラだ。

ダイナー＝アメリカの大衆食堂。
ハンバーガー以外もぜひ味わって

　

　山崎さんは20代半ばで憧れのアメリカに渡り、現地のセレクトショップや飲食店に勤務した。帰国後はアメリカでの経験を生かし地元の平塚でセレクトショップ兼バーを営んでいたが、ニューヨーカーに人気のチキンオーバーライスを店で出したところ大人気に。それをきっかけに心機一転、茅ヶ崎でダイナーを開くことを決意した。

 「ダイナーはアメリカの大衆食堂、日本でいうとファミレスですね。ハンバーガーはもちろんですが、チキンオーバーライスやブリトーなど、本場のダイナーの味にこだわったメニューもぜひ楽しんでいただきたいですね」

　チキンオーバーライスは、アメリカ人のお客さんに「懐かしい味」と言わせしめたほどの本格派。山崎さんのアメリカ愛あふれる絶品メニューを、みなさんもぜひ御賞味あれ。