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自家製麺屋 登夢道
赤羽根
二郎系を万人が美味しく食べられるようにできないだろうか…
見よ、この存在感のある太麺。こちらの自家製麺をいただくと〈太麺は短くて硬い〉という一般的なイメージが幻想であることに気付かされます。つるりとしてもちもちな歯ごたえ、そしてなが〜い。
こんな常識外れな麺を作ってしまう戸村さん。意外にもはじめからラーメン店と決めていたわけではなく「飲食ならなんでもよかった」と言います。
8歳の時、釣好きな叔父からアジの3枚おろしを教わったことをきっかけに大の料理好きになり、家の料理の手伝いをはじめます。バイトができる年齢になってからは近所の大衆食堂で調理や接客の基本を覚えました。18歳で長崎県平戸市を離れ戸塚へ。大手メーカーに就職するもやっぱり飲食に携わりたいと2年半であっさり辞め、飲食チェーンをいくつも抱える企業に転職。誰もが知っているあの店舗を日本のあちこちで開店させ、軌道に乗せていく仕事など、足掛け19年勤めました。
「自分の店を持つ」という目標を掲げ、その後もいろんな角度から飲食に関わっていきます。食品の管理から営業に至るまで飲食という業種をマニアックな目線で研究する部類で、いくつも会社が並んでいく様子に思わず「まだお店作らないんですか!」とこちらからツッコミを入れるほど。
そして、今まで手がけたことのないラーメンを選びました。
茹でたモヤシが山盛りにのっているこのビジュアルで、いわゆる二郎系と決めつけるのは少し早いかもしれません。戸村さんはラーメンを食べ歩いているうちに、ある二郎系の店で衝撃を受けます。〈うまい!やるならコレ。だけど脂が多くて重い。これだと食べに来てくれる人が偏ってしまう。この二郎系を万人が美味しく食べられるようにできないだろうか…〉
2014年、戸村さん40歳で「登夢道」開店。3月で丸6年になります。スープは豚丸骨と鳥の胴ガラ、甘みの出るキャベツの芯ほか、そしてグルタミン酸(旨味調味料)不使用。チャーシューは昨年少し変えました。臭みが少なく、脂身と赤身のバランスの良い牝豚を使用し、茹で・タレに浸ける時間を共に短め、形が崩れずジューシーなタイプに。やや薄味にしておき、お客様に提供する直前でタレを塗り、バーナーで炙ります。まず重要なのは肉を解凍する際にドリップを出さないこと。こちらでは4度に設定した冷蔵庫で3日間かけるそう。前職で精肉の管理もしていたこだわりが出ます。
実際に器を前にすると上品なスープ香りと、炙られたばかりのチャーシューの香ばしさで一気に食欲が増します。二郎系が好きな方もそうでない方もぜひ体験してもらえたら。
「カレーまぜそば」は弾力のある太麺を楽しめる、まぜそばシリーズの新作。フライドオニオンに複雑なスパイスが立つ、大人ジャンキーな一杯。ががっと混ぜて。あ〜ビールが飲みたい!
writer:小嶋
INFORMATION
自家製麺屋 登夢道
住所 | 赤羽根95-2 |
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TEL | 0467-55-2655 |
営業時間 | 11:30~14:30 、17:45~20:30(金・土曜は~21:00) |
定休日 | 水休 |
URL | twitter : @tomu_dou Instagram :@jikaseimenya.tomudou amebro、fbページあり |