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猪口屋
東海岸南
一口すすればイヤなことも吹っ飛ぶ喉越し。
そばの実を感じる、粗め細打ちの極上そば
そばの実が感じられるみずみずしい風味。心地よい弾力を残した麺の歯応え。口から喉に流れ落ちていく時の絶妙な喉越し。一口すすればイヤなこともすべて吹っ飛ぶようなこの味は、猪口屋でなければ体験できない。県内外から引きもきらずに人々が訪れるのも、きっとこの口福を求めてのことに違いない。
猪口屋では群馬産、山形産、北海道産のそばを使い、その中から季節と時期によって一番いいものを選ぶ。そばの実には収穫されたままの「玄そば」とそばがらを除いた「剥き身」とがあるが、それらをブレンドして3〜4種類の粉を作る。そば粉は自家製粉だが、この辺は海が近いため湿気が強く、石臼が目詰まりしやすいと店主の畠山さん。そば打ちで大切にしていることは? と尋ねると、
「そばはやっぱり喉越しが命。なので太すぎず、でも細すぎてコシがなくならないようにしています。うちのそばは細打ちですが、そばの実を感じられるようその分実を粗くしています」
つゆは鰹ベースの濃いめのつゆ。醤油は店の出汁と合うものを求めていろいろ試した結果、都内の有名メーカーのオーガニック醤油を仕入れている。
父上直伝のきりたんぽ鍋に、炙ったかます刺し。
酒が恋しくなるつまみの数々
猪口屋を訪れたら、つまみも食べなきゃもったいない。寒さが増すこの季節のおすすめは、秋田出身の畠山さんのお父様直伝のアツアツのきりたんぽ小鍋。うるち米と餅米を混ぜて粒感が残る程度に潰したものを、秋田杉の棒に巻きつけて焼く。美味しさの決め手は焦げ目がつくくらいしっかりと焼いて香ばしさを出すこと。鶏肉、舞茸、ゴボウ、セリなどと煮込んだ汁を含んで、モチモチからホロホロに変わるきりたんぽの食感は、どこか優しく懐かしく、心まで温めてくれそうだ。
一方冬場は脂が乗って旨味が増す炙りかますの刺身も美味い。こんがりと炙った皮目はパリッと香ばしく、中はレアでしっとりジューシー。軽く塩がふってあるので、薬味のネギと山わさびをアクセントにいただきたい。
そしてこの時期なんといっても味わっていただきたいのが、能登の牡蠣天ぷら。探しに探して出会ったという若い漁師さんが作る2年ものの牡蠣は、濃厚な滋味にあふれている。
酒とそばが楽しめる大人の店を目指し
今の猪口屋スタイルへ
猪口屋が茅ヶ崎にオープンしたのは12年前。最初は柳島海岸でスタートし、3年後に現在の東海岸南へと移転した。 畠山さんはもともと広告代理店勤務で、名だたるアーチストのプロモーションビデオなどを制作していたが、結婚を機に多忙な日々に別れを告げ、飲食業の道へと足を踏み入れた。
食品メーカーの惣菜事業部で和洋さまざまな食品の知識を身につけ、スーパーバイザーや店長などを経験したのち独立。自分の店を持つにあたっては、「毎日食べても飽きないもの」「お酒とともに楽しめるもの」をと考え、お酒とそばとつまみが楽しめる、現在の猪口屋スタイルに行き着いた。ちなみに店名の由来は「日本酒のお猪口と、そば猪口で猪口屋」。大人の粋を感じさせるネーミングである。
INFORMATION
猪口屋 (ちょこや)
住所 | 東海岸南6-3-18 |
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駐車場 | P5台 |
TEL | ☎0467-87-7037 |
営業時間 | ランチ 11:30~13:30入店受付終了 ディナー 18:00~20:30(L.O.) |
定休日 | 月曜夜・火・水休 |
URL | instagram/fb |