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チガサキゴトよ、チーガ

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猪口屋

年末も押し迫ってまいりました。
 第13号は「おとなの、そば」。

 世の中が外で食事ができるようになりお酒がようやくいただけるようになったので、
今回はそば屋でお酒もいただいちゃいましょ、という企画・特集です。
いわゆる「蕎麦前」という楽しみ方。そばが茹であがるまでの時間に軽くつまみをいただきながらちょいとお酒をいただくという江戸時代にできた文化です。
短時間にさらっとつまんで〆にそばというのが粋なのだそうですが、
Cheeegaのほうはやや少々濃いめのになっております(笑) 


 江戸時代でもうひとつ。今回の「ちーがさんぽ」の浜竹通りを調べていた時に
浜道の話に行き当たりました。漁師さんが海に向かう道を浜道というのですが、
江戸時代にまつわるものでした。


 川廷昌弘さんといっしょに考える「チガサキのたくらみごと」は「茅ヶ崎イシラス」の石田さんとの対談です。茅ヶ崎の今の魚のこと、石田さんがやろうとしていることをまとめました。


それと特筆は12月8日の「八日僧(ようかぞう)」の話。
「 SATOYAMA育ち」の高橋浩美さんといっしょに、幼い頃の記憶と茅ヶ崎市の資料を
照合していくのは面白い作業でした。
冊子に入りきらなかった情報も追加してアップしたいと思います。

東海岸南 

一口すすればイヤなことも吹っ飛ぶ喉越し。
そばの実を感じる、粗め細打ちの極上そば

ざるそば 950円
茹でたてのそばは半透明の美しさ。そば猪口に四分の一くらいつゆを入れて、
ズズッとダイナミックにいただこう

 

 

 そばの実が感じられるみずみずしい風味。心地よい弾力を残した麺の歯応え。口から喉に流れ落ちていく時の絶妙な喉越し。一口すすればイヤなこともすべて吹っ飛ぶようなこの味は、猪口屋でなければ体験できない。県内外から引きもきらずに人々が訪れるのも、きっとこの口福を求めてのことに違いない。

 猪口屋では群馬産、山形産、北海道産のそばを使い、その中から季節と時期によって一番いいものを選ぶ。そばの実には収穫されたままの「玄そば」とそばがらを除いた「剥き身」とがあるが、それらをブレンドして3〜4種類の粉を作る。そば粉は自家製粉だが、この辺は海が近いため湿気が強く、石臼が目詰まりしやすいと店主の畠山さん。そば打ちで大切にしていることは?  と尋ねると、

 「そばはやっぱり喉越しが命。なので太すぎず、でも細すぎてコシがなくならないようにしています。うちのそばは細打ちですが、そばの実を感じられるようその分実を粗くしています」

 つゆは鰹ベースの濃いめのつゆ。醤油は店の出汁と合うものを求めていろいろ試した結果、都内の有名メーカーのオーガニック醤油を仕入れている。

父上直伝のきりたんぽ鍋に、炙ったかます刺し。
酒が恋しくなるつまみの数々

きりたんぽ小鍋 1,300円

 猪口屋を訪れたら、つまみも食べなきゃもったいない。寒さが増すこの季節のおすすめは、秋田出身の畠山さんのお父様直伝のアツアツのきりたんぽ小鍋。うるち米と餅米を混ぜて粒感が残る程度に潰したものを、秋田杉の棒に巻きつけて焼く。美味しさの決め手は焦げ目がつくくらいしっかりと焼いて香ばしさを出すこと。鶏肉、舞茸、ゴボウ、セリなどと煮込んだ汁を含んで、モチモチからホロホロに変わるきりたんぽの食感は、どこか優しく懐かしく、心まで温めてくれそうだ。

 一方冬場は脂が乗って旨味が増す炙りかますの刺身も美味い。こんがりと炙った皮目はパリッと香ばしく、中はレアでしっとりジューシー。軽く塩がふってあるので、薬味のネギと山わさびをアクセントにいただきたい。

 そしてこの時期なんといっても味わっていただきたいのが、能登の牡蠣天ぷら。探しに探して出会ったという若い漁師さんが作る2年ものの牡蠣は、濃厚な滋味にあふれている。

炙りかます刺し 950円
能登の牡蠣天ぷら 860円

酒とそばが楽しめる大人の店を目指し
今の猪口屋スタイルへ

 

 

 猪口屋が茅ヶ崎にオープンしたのは12年前。最初は柳島海岸でスタートし、3年後に現在の東海岸南へと移転した。 畠山さんはもともと広告代理店勤務で、名だたるアーチストのプロモーションビデオなどを制作していたが、結婚を機に多忙な日々に別れを告げ、飲食業の道へと足を踏み入れた。

 食品メーカーの惣菜事業部で和洋さまざまな食品の知識を身につけ、スーパーバイザーや店長などを経験したのち独立。自分の店を持つにあたっては、「毎日食べても飽きないもの」「お酒とともに楽しめるもの」をと考え、お酒とそばとつまみが楽しめる、現在の猪口屋スタイルに行き着いた。ちなみに店名の由来は「日本酒のお猪口と、そば猪口で猪口屋」。大人の粋を感じさせるネーミングである。

 


INFORMATION

猪口屋 (ちょこや)

住所 東海岸南6-3-18
駐車場 P5台
TEL ☎0467-87-7037
営業時間 ランチ  11:30~13:30入店受付終了 ディナー 18:00~20:30(L.O.)
定休日 月曜夜・火・水休
URL instagram/fb

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