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SATOYAMA育ち (その13)

12月8日に一つ目小僧がやってくる話(八日僧)

資料提供:目一ツ小僧とセエノカミ茅ヶ崎市文化資料館-
1975資料館叢書1-茅ヶ崎の道祖神/茅ヶ崎市教育委員会

 12月8日は「ことおさめ」の日で、正月の準備を始める大切な日でもあるそうです。そして、この日は一つ目の疫病神が来るという言い伝えがあって、「一つ目(目一つ小僧)が来ると悪い病気が伝染する」とも言われていました。

 茅ヶ崎でも、この日、たぶん農家の家だけに伝わる行事がありました。八日僧(ようかぞう)といって、夜になると一つ目小僧が来るから早く寝るんだよと、夕暮れ近くなると、祖母に「早くお風呂に入っちゃいな」とせかされました。祖母には戸も早く閉めて、くずかきかご(山から落ち葉を入れて運ぶ大かご)を門扉のそばに置きました。

 なんでも疫病神の一つ目小僧が見回りに来るからだそうで、一つ目小僧は目のたくさんあるものを凄く恐れて、カゴやザルに出会うと、これはかなわんと一目散に逃げてしてしまうのだそうです。

 また地域によっては、一つ目小僧が夜に紛れて各戸を周り、しまい忘れた下駄があれば、その目印に焼き印を押し、雨戸の閉め忘れや戸締りの不備などを帳面に書き込んで、翌年そこの誰かを伝染病にしてしまうという言い伝えもあるそうです。

 そうしたらコロナにも効かないかしらと、今年は古い納屋からくずかきかごを引っ張り出してみました。12月8日に置いてみるかな。笑

 そして子どもの頃のその夜は、怖いもの見たさでおっかなびっくり、そっと戸を開けて門の方何度か覗いてみたり、如何にも子供らしかったこと思い出します。

八日僧解説

(目一ツ小僧とセエノカミ茅ヶ崎市文化資料館の資料より、文字起こし)

道祖神の祭り:目一ツ小僧とセエノカミ


 12月8日をヨーカゾー、と呼ぶ。目一ツ小僧という恐ろしい化け物がやってくる日という。目一ツ小僧は部落中の家を一軒一軒回って、悪いことをしている者を帳面につけるし、外に出しっぱなしになしの履物にはハンをおしていく。そんなことをされたら大変だ。それで、目一ツ小僧が来ないようにと家々では長い竹竿の先に目籠をひっかけて軒先に立てかけておく。目籠は荒く編んであるので、たくさんのメがある。目の一つしかない小僧がこれを見てびっくりして退散するようにとのもくろみだ。そばすくいも同じように目が荒い。そばすくいを玄関の脇の柱にくくりつけておく所もある。

 さて目一ツ小僧は部落中の悪いことを書きつけた帳面を、帰りにセエンカミサンに預けておくそうだ。来年の12月8日に取りに来るから、それまで預かっておいてくれとか飲んで帰るそうだ。2月8日にこの帳面を持って行かれたら大変だ。それでセエノカミさんが預かっているうちにこれを焼いてしまおうというわけで、正月14日にセエトをする。セエトバライ、ドントヤキとの呼ばれる日祭りである。


高橋浩美

髙橋浩美 Takahashi Hiromi
実家が茅ヶ崎里山で代々農家の野菜ソムリエプロです。実家での筍や大根の収穫体験BBQを通して里山の良さを伝えるべく「湘南の里山を楽しむ会」を主宰しています。野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食育インストラクター/命の食事アドバイザー/かながわブランドコンダクター/湘南ベジフルふぁんファン

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