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米山幸助
Plastic Planet
湘南の海に流れついた無数のプラスチックごみ。
このプラごみをキャンバスに貼って
作品を作り続けている人がいます。
藤沢在住の画家・米山幸助さん。
「Plastic Planet」と題された作品群に込める思いを伺いました。
3月に行われた「Plastic Planet」の展覧会場LAMA Spaceにて取材( 展示は現在終了しています)
作品は「拾う」作業を続けるための装置
「両親が茅ヶ崎出身で、もともと祖父母の家が南湖にあり幼い頃から茅ヶ崎にはなじみがあった」という米山さんは、高校生の頃から大の釣り好きで、海釣りではゴミを拾うのが習慣だったと言います。でも、拾えども拾えどもゴミは一向になくならない……。そこで試みたのがこの作品作り。Plastic Planetは「少しでも長くゴミ拾いを続けるための装置」として始まりました。
「無作為」がプラゴミを
唯一無二のアートに変える
おもちゃ、ボタン、キャップ、洗濯バサミなど、作品に用いられるプラスチックごみは実にさまざま。拾ったものは洗って乾かすだけで、切ったり塗ったりなどの加工はしないとのこと。作品はカラフルでポップに見えるため、「カワイイ」「キレイ」などの印象を持たれることも多いそうですが、拾う時も作る時も、米山さんご本人は至って「無作為」。打算も狙いもなく、捨てられたモノたちを配して一つの世界を作りあげる手練は、芸術家ならではとため息が出ます。でも、そこにあるのは技巧だけではありません。自然をこよなく愛し、自然との関わりを模索する米山さんの信念が込められているように思えます。
Plastic Planetが自然との関わりを
考えるきっかけになれたら
美大では日本画専攻の米山さん。大好きな動物や水族館の生き物を作品のモチーフとして選んでいましたが、ある時ふと「自然の生き物を人工の建物の中で飼う、それってどういうことなのだろうと。以来、生き物だけでなく展示施設そのものも描くようになり、それが作品作りのテーマになりました」。自然と人との関わりを考える。それはPlastic Planetにも引き継がれていますが、作品には押し付けがましい主張は感じられません。「楽しかった、可愛かった、と感じつつ、環境に対して少し違った見方や意識が生まれる。見てくださった方にそんな引っかかりが生まれたら嬉しいですね」。
会場の入り口に置かれたトングも展示の一部。「海辺で拾われたプラごみ」という作品の背景をさりげなく語ります
米山幸助
日本画家/1983年藤沢市出身/多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程修了/動物園や水族館の生き物とその飼育設備を日本画の画材を用いて描く。
「Plastic Planet」は2019 年より制作を開始。
INFORMATION
URL | 米山幸助Instagram |
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