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赤羽根山から藍を叫ぶ
ちがさき藍プロジェクト
せっかく農家になったんだもの、憧れの藍と丁寧につきあってみよう。タネから茶葉、染めまで、自分の手を通してじっくり味わう企みです。
第一話
世界を魅了するジャパンブルー。たまらん色、憧れちゃうよなぁ、でも高いんだよなぁこれがまた(泣)
でも私、知ってしまいました。藍が稲作とともに薬草として伝わったこと。しかもちょっと昔までは村々で機を織り藍で染めることはフツーだったこと。それを知ったらやりたくなるでしょー。早速プロジェクトに20名の仲間が集まった。
どうせやるなら「ちがさき純正」にこだわりたい。ということで昨年うちの畑で自家採取したタネを4月にみんなで播いた。胡麻よりはるかに小さいタネだけど、育ち始めると株分かれしながらグングン育つ。その間に草を刈り土を寄せ、おまけにみんなの汗もたーっぷり浸み込ませて栄養もバッチリじゃん(笑) 畑と併行して藍染めの予習も進める。仲良しの藍染作家さんたちからもアドバイスを頂いて、見よう見まねで仕込んだ藍甕(あいがめ)。 泳がせた純白の布巾を水ですすぐと透き通った青が浮かぶ! どうしてこの色が、ドブのように茶色くアンモニア臭も漂う水の中に隠れているのか。不思議で驚きでそして、うれしいよー これは。
今は染め液のチェックが朝イチの日課。色、臭い、温度、すべて微生物が担っている発酵のサインだ。土と同じ、生きている。だから甕の蓋を開けると思わず「おはよう!」って話しかけちゃう。
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吉野正人 Yoshino Masato
茅ケ崎どっこいファーム主宰。教員生活を経て2018年より就農。赤羽根の自然の循環の中でオーガニック野菜を手がける一方、「おいしいと楽しいをつなげたい」をモットーに「農あるくらし」について様々なライフスタイルを提言。