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レストラン アップル
東海岸北
これまでも、そして
これからもずっと
21号のこと
今回の特集は50年近く、あるいはそれ以上長く地域にあり続けているお店を訪ねました。
「これまでも、そしてこれからもずっと」。昔の様子も含めて3軒の店主に多くのことを教えていただきました。
最年長は開高健さんが愛したというメンチカツを考案した『香川屋分店』の亀井よねこさん、85歳。
現在も開高さんが通ったときと同じラチエン通りに店を構え、開高さんが開いたであろうドアを開け、よねこさんと会話し、同じ味のメンチカツがいただけるという奇跡。いや奇跡ではなく、寝る間も惜しんで働き作り上げてきたよねこさんの1日1日を積み重ねてきたおかげなのだと思います。
「きれいごと委員長 川廷昌弘」さん率いる「チガサキのたくらみごと」は『・工房 茅ヶ崎 』中里康則さんの工房を訪ねました。
『移住者もみんなで神輿を担ぎたい。茅ヶ崎・寒川だから実現できる〈祭りを中心としたまちづくり〉とは?』
この号を作っている3月半ばの時点ではまだ「浜降祭」の発表はないのですが令和2年から中止を余儀なくされている浜降祭が、令和5年の今年に開催されたら4年ぶりになります。その間にこの地域に住み始めた人や、今までどうやって関わったら良いのかわからなった人たちに向けての手引きになるようなものができたらと準備をしていて、この記事が未来に向けての序章になります。
また、周年関係も多く特集の『榮家』、そして広告をいただいた『株式会社やまなか園建設』が創業50周年、同じく広告をいただいている『やまゆり生活共同組合』が創業40年、皆さまお祝い申し上げます。
そして「茅ヶ崎の北部丘陵 里山公園に住むマニアックないきもの図鑑」のクサガメ、ジロウが50年生きたという話はたまたまとなります。
木造駅舎に人力車。
移り変わる駅前雄三通りを
見守ってきた洋食屋さん
昭和50年代、まだ茅ケ崎駅舎が木造だった当時から、佇まいを変えず雄三通りで店を営み続けてきた洋食屋さんがある。レストランアップル。赤レンガの壁と「Apple」の看板が目印だ。
ダークブラウンのウッディな内装は洒落て上品だが、どこか懐かしく心安らぎもする。年輪を重ねたがゆえの貫禄も感じられる。
「駅前には人力車もあったんですよ。鉄砲通りもまだ舗装されていなかったかな。この通りは商店街で、うちの他にもたくさん店があったんだけど、みんないなくなっちゃったね」
と語ってくれたのは店主の堀川さん。アップルがオープンした当初アルバイトとして働き、その後都内屈指の老舗レストラン・東京會舘でシェフとして研鑽を積み、29歳の時に独立しアップルのオーナーシェフとして引き継いだ。一時フレンチレストランに切り替えたこともあったが、歳月を経て親しみやすい街の洋食屋さんとして定着した。
「お客さんが他人行儀でなく、対等でいてくれるのが嬉しいね。入り口にあるリンゴの置物も、みなお客さんがお土産でくれたものなんですよ」
落ち着いた風情から敷居が高いと思われがちだが、実は来る者拒まず、懐の深い店なのである。
東京會舘の味を受け継いだ一押しメニュー
「舌平目のボンファン」
カツレツ、ハンバーグ、オムライス、ビーフカレー…アップルでは昔ながらの洋食メニューがずらりと並ぶが、一押しはディナーメニューの「舌平目のボンファン」。堀川さんがアップルの店主になって以来の看板メニューだ。
三枚に下ろして巻いた舌平目、玉ねぎ、マッシュルームなどを白ワインで蒸し煮にし、その煮汁にブルテ(ブイヨンとバターで作ったホワイトソース)とオランデーズ(卵の黄身とバターのソース)を加え煮詰めて滑らかにしたものを、蒸し上がった舌平目にたっぷりかけ、最後にオーブンでこんがり焼いて仕上げる。ふっくらした舌平目の身に、野菜と魚の出汁、白ワインの酸味が効いたソースがよく絡まり、深いコクと爽やかな風味を両方いっぺんに楽しめる。
堀川さん曰く、舌平目の身が締りすぎず、なおかつ魚の旨味がソースに十分に染み出す程度に蒸すのが、料理をうまく仕上げるコツなのだとか。
ちなみにこの料理は東京會舘の代表メニュー。老舗仕込みの本格フレンチを茅ヶ崎で味わっていただきたい。
ブランデーで香り付け、深い奥行きのある
ワンランク上の「幻のナポリタン」
INFORMATION
レストラン アップル
住所 | 茅ヶ崎市東海岸北2-1-50 |
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駐車場 | 隣接する商店街駐車場使用可 |
TEL | 0467-83-1756 |
営業時間 | ランチ:11:30〜14:30(L.O.14:00) ディナー:18:00〜21:30(L.O.20:30) *日曜はディナーのみ |
定休日 | 木・第1・3・5月曜休 |
URL | 公式HP |