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肉の老舗 香川屋分店
東海岸北
開高健が愛した「湘南名物メンチカツ」は健在。
店を構えて58年、ラチエン通りのお肉屋さん。
ラチエン通りの真ん中あたりに、茅ヶ崎の老舗肉店「香川屋分店」がある。58年前に香川屋の分家として店を構え、現在息子の和広さん、孫の隼人さん夫妻と店を切り盛りするのは亀井よねこさん。
コロッケやカツなど、店頭にずらりと並ぶ揚げ物惣菜はお手頃価格でどれも人気だが、一番の売りはなんと言っても「湘南名物メンチカツ」。同じくラチエン通りに住み、ルポやエッセイなど数々の名作を残した作家・開高健が愛したメンチカツとしても有名だ。
店よりラチエン通りの南側に住む開高さんは店の前を通ってさらに北にある林水泳教室に通っており、帰りによく立ち寄り、メンチカツを2、3枚買って帰るのが常だったそう。
「一見強面だけど、優しくてとても気さくな人でね。『焼売に生姜を入れるといいぞ』なんて冗談まじりにアドバイスをくれたりして。配達で伺うとお家の中に招き入れて下さって、『今度はここに行くんだ』って教えてくれて、旅先のものを色々と見せてくれたりもしましたね」
ちなみによねこさん、加山雄三さんとは一中時代の同級生でよく配達で訪れたとのこと。
「加山さんもざっくばらんでいばらなくて、本当によくしていただきましたよ」。
メンチは県産豚肉を使用したビッグサイズ!
土曜日は20円安い150円也。
この湘南名物メンチカツ、一般的なメンチよりも一回り大きいビッグサイズ。これで170円とは嬉しい限りだが、土曜はさらに安い150円になる。大量に買うお客さんも多く、あっという間に売り切れてしまうとのこと。よねこさん曰く、平日でも毎日100枚くらいは作るのだそうだ。
「以前は群馬県産の豚肉を使っていたんだけど、今は県産に切り替えました。味付けは塩胡椒、それとナイショの調味料ね(笑)。これを加えると甘みやコクがグッと深まるのよ」
一体どんな隠し味が入っているのか気になる限りだが、確かにこのメンチ、肉汁とともに滲み出る旨味甘みがとても濃い。おまけにお肉みっちりで食べ応え満点なのに、しつこくも脂っこくもなく、ビッグサイズでも難なくペロリと食べられてしまう。
肉のうまさを引き出す塩加減もちょうどよく、ソースいらずでパクパクいける。揚げたてはサクッと軽やかで口当たりもよく、開高さんが愛食したのもなるほど納得の「湘南名物」である。
秘伝のタレはよねこさん考案
炭火でじっくり吊るし焼きする絶品「焼き豚」
揚げ物惣菜で評判の香川屋分店さんだが、じつは隠された名物がもう一つ。炭火でじっくり吊るし焼きした焼き豚だ。 朝7時半に仕込み、出来上がるのはお昼頃。焦がさないよう火加減を保ち数時間かけて焼くことで、炭火の遠赤外線効果により肉の旨味が閉じ込められ、外は香ばしく中はふっくら柔らかい焼き豚に。そのままかぶりついてもうまそうだが、焼き上がった肉をさらに秘伝のタレにつけ、焼き豚の味わいをさらに高める。
「タレの味は私が考えたんです。創業当時から継ぎ足しで、足せば足すほどコクが出て美味しくなるんです」
甘すぎず辛すぎないバランスの取れたタレは、弾力があって柔らかい肉質と好相性。酒の肴にチャーハンの具材に、ヤミツキになくなること間違いなし! の逸品である。
香川屋分店で
肉を買って
さァどうやって
喰べようか?
永六輔
「肉の老舗 」とうたっている香川屋分店。ところが、写真をみても分かるように現在のショーケースには生の肉は並んでいない。生肉は買えないと思われている方もいるのでは?
『香川屋分店で 肉を買って
さァどうやって 喰べようか?』
この永六輔さんの言葉に偽りなし。牛肉、豚肉、鶏肉は奥に揃っています! ぜひ店頭で部位や切り方を注文してください。これを機にカットしたてのお肉のおいしさを、知ってもらえたら嬉しいです。
ところで永さん。香川屋分店でどんな肉を買って、どんな料理をしたのだろう……
INFORMATION
肉の老舗 香川屋分店
住所 | 茅ヶ崎市東海岸北5-15-65 |
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駐車場 | P2台 |
TEL | 0467-57-6539 |
営業時間 | 11:00(頃)~ 日が暮れるまで |
定休日 | 火・日・祝休 |