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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.19 [番外編/植物]
彼岸花
DATA : 彼岸花(ヒガンバナ):北海道、東北地方を除く全国各地に分布。中国大陸原産の帰化植物で史前帰化種とされる。別名、曼珠沙華(マンジュシャゲ)。日本に分布する彼岸花は種子が出来ない為、球根の分球によって増える。
⌘ 畑や田んぼの真っ赤な見張り役
彼岸花は名の通り「お彼岸」に咲く夏の終わりを告げる真っ赤な色が印象深い花です。
彼岸花がたくさん咲いている場所は畑や田んぼの“”。彼岸花にはアルカロイドという毒素が全草(球根も根も茎も花も葉も植物の全部)に含まれているので、実った作物を荒らす大敵、モグラやネズミなどを忌避する効果があり家の方が植えているのです。寺や墓に多く見られるのも害獣避けとして植えられたからなのだそう。
⌘ 日本のほとんどの彼岸花はクローン
縄文時代最後期に中国大陸から稲作と共にやって来た彼岸花は、種子ができないかわりに球根の分球によって日本各地に分散されました。つまり日本のほとんどの彼岸花はクローン。その特性により、全国各地の開花時期は9月下旬に集中するのです。
余談ですが以前園芸関係の仕事をしていた際に(28年ほど前)中国産で種ができる彼岸花の球根が輸入されたことがありました。花が全体的に小さく華奢だった印象で、確かに種子は実りました。
⌘ 小出川沿いに咲き誇る彼岸花は一見の価値あり
9月下旬から10月上旬の小出川沿いの彼岸花は見応えがあります。機会があれば是非。イベントも毎年行われています。
第16回 小出川彼岸花まつり
9月23日(土) 9:00 -15:00〈小雨決行・雨天順延〉
小出川沿い 大黒橋から寒川町青年広場までの3kmの区間
彼岸花を見ながらスタンプラリーが開催されます。
連絡先
藤沢市 御所見市民センター tel. 0466-48-1002
寒川町観光協会 tel.0467-75-9051
小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。
水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki