知らなかった茅ヶ崎をもっと知り、もっと好きになり、
もっと楽しめる!茅ヶ崎を知り尽くす情報サイト

チガサキゴトよ、チーガ

  • facebook
  • instagram
  • twitter

チガサキゴトよ、チーガ

OTHER

NEW

映画作家 安田ちひろの湘南 つれづれ 日誌

湘南 つれづれ 日誌 「人はなぜ夕日を見るのか」

安田ちひろ

 東京に住んでる時よりも夕日を見に行くことが増えた。
当たり前のように、「天気いいなぁ、今日の夕日はどうかなぁ?」と思いつくのだ。私が住む場所は歩いてすぐ海に出れるから、ふと空を見てきれいそうなら海へ向かう。サザンビーチの西側、通称「西浜」。普段はサーファーばかりだけど、夕日の時間になるといろんな人が集まって来る。犬の散歩中の人、買い物帰りの夫婦、一人の人も多い。おそらくみんな近所の人々。特にきれいな夕日の日は本当に人が多い。
 そして、全然知らない人たちと一緒に沈む太陽を見る。「きれいだな~」という声が聞こえる。言わなくても、皆同じ感情であることがわかる。
私は仕事が終わり一息ついた時に、一人で夕日を見に行くことがある。一人で見ていても、一人だなぁとは思わない。たぶん、皆と『同じ景色、同じ感情』を共有しているから。この感覚が私は好きなのだと思う。
 4年前の冬、1週間ほど鎌倉に滞在したことがあった。前日には珍しく激しい雪が降っていた。朝起きて思いついたのは「富士山に雪が積もってめちゃきれいなのでは」ということだ。
 富士山ビューで有名な稲村ガ崎へ向かうと、すでにたくさんの人いた。皆の目線の先には、全身真っ白で大きな富士山が構えていた。皆、この富士山を見に朝早く寒い中出てきたんだなぁ、考えることは一緒だな、と楽しくなった。この時、私は「湘南に住んでみたい」と思った。
 夕日を見る理由を皆に聞くと、「毎日景色が違うから」「癒されるから」「考え事をしにいく」など理由がそれぞれ違うけど、私の場合は「自然を介して人とつながれるのが楽しい」からだと思う。
 この感覚は都会では味わえない、贅沢で特別な感覚なのだ。

安田ちひろ

安田ちひろ Chihiro Yasuda
1987年生まれ、茅ヶ崎在住。。大学在学時に自主映画制作を始める。関西TVドラマ「大阪環状線」第8話脚本など。湘南にて映画制作コミュニティ『スタジオMalua』を立ち上げる。プロアマ7名の作家による江ノ電1駅ごとの短編オムニバス映画「江ノ島シネマ」企画・プロデュース。

RELATED ARTICLES関連記事