知らなかった茅ヶ崎をもっと知り、もっと好きになり、
もっと楽しめる!茅ヶ崎を知り尽くす情報サイト

チガサキゴトよ、チーガ

  • facebook
  • instagram
  • twitter

チガサキゴトよ、チーガ

OUTDOOR

NEW

茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.22

キタキチョウとホトケノザ

キタキチョウとホトケノザ

DATA : シロチョウ科に属する黄色いチョウ。本州、四国、九州、南西諸島に分布。前翅長20〜25mm。年、5〜6回発生(世代交代)。早春から忙しく飛び回る。幼虫はハギ類、ネムノキなど豆科の葉を食べる。

⌘ 真っ先に春の訪れを告げる黄色いチョウ

春告蝶とも呼ばれるキタキチョウはモンシロチョウよりも少し早く活動を開始します。モンシロチョウは蛹で越冬しますがキタキチョウは成虫の姿で越冬するからです。春先から飛び回る黄色いチョウを見かけたら、ほぼキタキチョウです。秋型と夏型があり、早春に見られるのは秋型で、羽根には縁取り模様が無いか極めて薄い色になる特徴があります。これに対し夏に羽化する羽根には黒い縁取りが明確に表れます。

⌘  「キタキチョウ」と「キチョウ」  

古い昆虫図鑑にはキタキチョウという名前は載っていません。「キチョウ」という名前で載っています。本州、四国、九州、南西諸島まで分布している本種は一括してキチョウと呼ばれていましたが、南西諸島のみに生息する種が新たに「キチョウ(ミナミキチョウ)」となり、本種が「キタキチョウ」と命名されました。南西諸島には2種類のキチョウの仲間が生息しているということですが、外見で見分けることは難しく至難の業なんだそう。

⌘ 小型ながらもタフなヤツ 

モンシロチョウの幼虫は人が畑で栽培しているキャベツなどを食べるのに対し、キタキチョウの幼虫はハギ類やネムノキなどの豆科の雑草を食べて育ちます。モンシロチョウより少し小型で姿も繊細な感じですが、成虫の姿で厳しい冬を乗り切るというタフさも備えています。

⌘ キタキチョウを観察するには 

キタキチョウは身近な昆虫です。2月下旬くらいから草原、川沿いの土手や水田の畦、畑の休耕地などで膝くらいの高さを飛び回っています。今回のイラストに描かれたホトケノザの花を探せば吸蜜する様子が観察できますよ。


小山茂樹 koyama shigeki

1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。


水彩画   /  河野祐子  kono yuko   instagram@yukochigasaki

RELATED ARTICLES関連記事