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チガサキゴトよ、チーガ

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冨貴堂

昭和レトロな店構えが目印。
上原・加山雄三親子も愛したパン屋「冨貴堂」が
タイムスリップしてオープングがオープン!

左、オーナー栗田大介さん、右、市場孝太さん

 サザンビーチ商店街の一角、茅ヶ崎小学校の曲がり角にあたる場所に昨年10月昭和レトロな店構えが目印のパン屋さん「冨貴堂」がオープンしました。コッペパンを使った惣菜パンや揚げパンなど、昔懐かしい焼きたてパンが楽しめるお店です。

 じつはこの冨貴堂、かつて昭和初期から平成元年にかけて、この商店街で店を営んでいました。市内でも指折りの人気のパン屋さんで、なんとあの加山雄三さん、お父さまの上原謙さんも通われていたのだとか。

昭和のサザン通り商店街は、海水浴客が通る目抜通りで商店がずらりと並び活気があった。その頃の冨貴堂は現在の店舗から数件駅寄りに店と工場があった。栗田さんが小学生だった当時、学校の工場見学で同級生たちが訪れることもあり、「工場見学、行ってきたよ!」と声をかけられることがち誇らしかったのだそう。

 冨貴堂のパンは地元の人々に広く愛されていたのですが、昭和から平成に移ると同時に、惜しまれつつ閉店。その背景には一体どんなことがあったのでしょう。

「うちは店売りだけでなく給食用のパンも作っていたんですが、時代が移り変わるに連れて、給食もご飯食や麺食が増えましたよね。そんな給食献立の変化も店を閉じる理由につながっていたかもしれません」

と語ってくださったのは、創業者のひ孫に当たる栗田大介さん。当時の話と、今回満を持して店を復活させた胸の内を教えてもらいました。

ふたたび冨貴堂を復活させた4代目の「ある思い」とは

 現在4代目店主としてスタッフと共に冨貴堂に立つ栗田さんですが、じつは駅南口の焼き鳥店「とり介」のオーナーでもあります。幼い頃から慣れ親しんだパン屋への愛着もあり、高校卒業後はいったんパン職人になることも考えましたが、飲食業の経験を積む中で「とり介」をオープン。まもなく20年を迎えます。客足の途切れない人気の店へと成長させましたが、ある時子供と参加した地域のイベントをきっかけに、冨貴堂を復活させることを思いつきます。

 「自分の子どもを背負って盆踊りに行った時、商店会のおじさんたちが太鼓叩いたり焼きそばを作っているのを見てハッとしたんです。自分にも何か、特に子どもたちのために何かできないかと。この場所で、パン屋を通じてなら何かできるかもって思ったのが復活するきっかけです。小林園の小林さんの協力も大きいです」

 多くの小学生が通うこの商店街で、パン屋の店主として子どもたちと触れ合いながら、働く姿を見せていきたい。地元で店を営む生き方や、その楽しさを感じてもらいたい、と栗田さん。

 そんな熱い思いの裏側には、ひいおじいさまから受け継いだ、地元に長く親しまれ愛されてきた「茅ヶ崎の冨貴堂」の誇りがあるのかもしれません。

看板やロゴのデザイン・制作は茅ヶ崎在住のアーティストUno Yoshihikoさん。子どもたちの記憶に残るよう、店舗の前でライブ制作。子どもたちは興味津々……

ずらりと並んだリーズナブルな調理パンとり介とのコラボパンも人気

 冨貴堂の店先には、焼きそばをサンドした焼きそばパン、コロッケを挟んだコロッケパンなど、昔ながらの調理パンがずらりと並びますが、そのお値段は140円からとリーズナブル。

 店内で焼き上げるコッペパンはふっくらとして柔らかく、「きび砂糖を使って優しい味を出しています(冨貴堂パン職人・市場孝太さん)」というだけあって、ほんのり甘味が楽しめます。ちなみに冨貴堂では、とり介の焼き鳥をトッピングしたヤキトリパンも人気。栗田さん曰く「今後は地元の飲食店のメニューを取り入れたコラボパンも出して地域を盛り上げていきたい」とのこと。

 優しいノスタルジーを漂わせながら、新たな船出を切った冨貴堂に、みなさんもぜひ足を運んでみて。

撮影:奥田正治 ライター:藤原千尋

INFORMATION

冨貴堂(ふうきどう)

住所 茅ヶ崎市共恵2-1-40
TEL 0467-81-4158
営業時間 7:00〜売り切れ次第閉店
定休日 月火休 Pなし
URL instagram

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