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高田・熊野神社の神輿大修復
修復を手がけた中里康則さん(茅ヶ崎神輿康)に解説してもらいました
蕨手の軽量化【4箇所で−24 キロ】
〈前〉 〈後〉
鋳物を使用していた為1カ所6キロという重さであったが木製にすることにより4カ計24キロ軽量化した。蕨手の模様は唐草彫りを受け継ぎ、彫りで施した。形は、神社総代の伊藤さんの提案で、巻きの深い「相州型」に近づけた。(今回の木彫は全て大阪・岸和田 賢申堂によるもの)
台輪角の軽量化【4箇所で−60 キロ】
〈前〉 〈後〉「浪に千鳥」
〈後〉鐶(かん:通称たんす)側の木彫は鋳物の角金具のデザインと同様「浪に千鳥」 〈後〉
台輪の角にある1つ15キロある鋳物の飾り金具を4カ所木製にすることにより差し引き60キロの軽量化。厚さ2寸(6cm)の欅の赤身を使用し、デザインは熊野神社の神の使いである八咫烏(やたがらす)と高田熊野神社の神木であった「高田の大松」を施した。
棒穴の位置移動【担ぎやすさ】
台輪の棒穴を両方の外側に1寸ずつ継いで2寸(6cm)広げたことにより担ぎ手の腕の位置を安定させ、担ぎやすくした。
経年劣化の修復について
〈前〉 〈後〉 〈後〉
修復は全体に及ぶため、神輿は全てバラされる。写真は「のきづら」の部分。黒の漆は下地からやり直し新たに塗り替えたあと屋根裏の金箔を貼った。鳥居井垣の赤の漆塗り、経年劣化によるヒビ、亀裂等の修正ほか。すべてに手を加えた後、歪みがないように組み立てる。神輿康では浜降祭の後にもう一度預かりメンテナンスをする。
(前列右から)総代の久保田芳弘さん、責任総代のお三方、浅岡肇さん、小池重郎さん、森俊彦さん(後列右から)保存会副会長の熊倉幸博さんと城田則之さん/高田自治会館にて