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川廷昌弘さんと語り合う チガサキのたくらみごと

“きれいごと”で茅ヶ崎はもっと面白くなる!?“
かわていさんと語り合うチガサキのたくらみごと

16歳から91歳まで、世代を越えた“レジェンド”たちのナマの声を届ける。点から面へと広がる、みんなの「やりたい」が動き出すまちづくり

vol.03 湘南100CLUB

かわていさん
左から山口順平さん、かわていさん

「きれいごとで勝負!」を合言葉に展開する連載「チガサキのたくらみごと」。まちで同時多発的に起こっているたくらみごとの首謀者に登場いただき、“きれいごと委員長”かわていさんとともにその本質を探っていきます。

第3回目となる今回のゲストは、「湘南100CLUB」の山口順平さん。「人生、自分で舵をとって進もう」を合言葉に、まちのレジェンドたちへのインタビューを行い、昨年は小冊子『My LEGEMD Interview』も発行。その取組みが話題となっていますが、すべては3年前、ご近所のおばあちゃんをナンパすることから始まったのだとか。順平さんとは既に交流のあるかわていさんが、真相に迫ります!

“2000分の1”の出会い

か:「湘南100CLUB」は、人生100年時代をテーマにしたプロジェクトですよね。そもそもなんで始めたんですか?

順:30代半ばを迎えて、「地域でなにかやりたいな」と思い始めて。サーフィンとかバーベキューとか友達とやってても、モヤモヤが消えなくて。

か:なんですか、そのモヤモヤは? 茅ヶ崎から東京の会社に通っていて、仕事も家庭も忙しいんですよね?

順:夜11時頃に帰って飯食って寝て起きて会社行く、という暮らしで妻にも負担をかけているんですが…。仕事でシニアや女性の就労支援をやっていたこともあって、自分の地域で何もやっていないことに疑問を持って。もともと坂本龍馬が好きってのもあります(笑)

か:龍馬かぁ、なるほど。志から仕事を見つけて、社会課題が自分ごとになって、ふと気づいたら地域との接点がなかった、と。

順:そんなときに、チガラボ(欄外)ができるって話を聞いて、「必ず参加します!」って速攻で謙さん(チガラボ代表・清水謙さん)に宣言して。「チガラボチャレンジ」というイベントで、「シニアの支援がしたい」って発表してみたら、ある方から「一対一でつながりをつくったら面白いんじゃない?」ってアドバイスをもらったので、早速マンションの隣の隣に住んでいるおばあちゃんをナンパしてみました(笑)

か:いきなり!?  やるなぁ〜

順:85歳のおばあちゃんで、妻と3人で食事して、「何かできることがあれば」って話をして。それをきっかけに、「5分100円でなんでもやります」ってチラシを2000枚つくって、家の周りに配りました。そうしたら1件だけ問い合わせが届いて。

か:まさかの2000分の1(笑)!

順:まさかの(笑)。で、その83歳のおじいちゃんのお宅にお邪魔したら、でっかいMacがあってiPadもiPhoneも使いこなす方で。超ハイテクな相談をいただいて、持ち帰ることになってしまって(苦笑)

か:へぇ〜、そこまでフル装備!

順:そのとき、僕の中で見方が大きく変わったんです。勝手にシニアの方に対して「サポートしなきゃ」みたいに思っていたんですが、対等に何かを一緒に解決するような関係のほうが自然だし、そういった関係性をいろいろなところでつくっていきたいな、と。特に湘南は、かっこいい、僕らが学ばせていただきたいようなシニアの方が多いですし。それで、まずは「湘南100CLUB」として、シニアの方々にインタビューするようになって。最高齢は91歳。でも今は逆に16歳の少年にも話を聞いています。

か:16歳?  シニアのレジェンドじゃなくて?

順:年齢を問わず自分の在りたい姿に向けて行動している人はみんなレジェンドだな、と。年配の人が若い世代を取材するのもアリですし、年齢を広げながらお互いを知って交流を広げられればと思って、チームで取材活動をやっています。

か:世代を超えたチームプレイになってきているんですね。

思いをかたちにするプラットフォームへ

たくらみごと

か:体当たりの立ち上げから1年半経って、思うことはありますか?

順:最近は点で動いていた取材活動が面になり始めたのかな、って。

か:点が面に?どういうことですか?

順:冊子にも載っている四條邦夫さんは、退職されてから自分でウェブの知識を身につけて起業していたんですが、今度は同世代の人たちの仕事をつくろうと「セカンドワーク協会」というホームページ製作を受託するNPOを立ち上げたんです。

か:インタビューされて思いをアウトプットして、自分を掘り下げることができたのかな。

順:そうだと思います。僕自身も、この活動を通していろいろな人から「一緒にやろうよ」って声をかけてもらう機会が増えていて、昨年は「バリアフリー遊び場Luana in Southernbeach」(欄外)というプロジェクトをやりました。またそこで「一緒にやりたい」って人が増えて…という循環が起こっていて。そうやって「湘南100CLUB」が、みんなの思いをかたちにしていくプラットフォームになっていくといいな、と。今までの市民活動って、やらされている感じが強かったと思うんです。でも、自分の意志でやる人って、やっぱりパワーが違う。取材を通して、そういう人たちが可視化されてつながっていくと、もっと楽しいまち、関わりたいまちになっていくんじゃないかなって。

か:結局このプロジェクトの目指すところは、みんなの心の中にある。SDGsそのものだなぁ。SDGs で一番大事なのは、貧困とか飢餓とか気候変動が別々の問題ではなくて連鎖反応で起こっているから根本原因に対処していこう、ということ。順平くんは、まさにつないでいく人だよね。ゴールありきではなくて、人の持っているエネルギーを引っ張り出して、共感した人をつないで、ひとつのエネルギーを面にして大きく広げていく。そうやってみんなが元気になることで、まちの課題も解決できるポテンシャルが生まれていく。そこがこのプロジェクトの本質だと思うな。

しっかり金儲けして幸せになろう

かわていさん

か:ところで順平くんはどんな年のとりかたをしたいですか?

順:そうですね、90歳になってもサーフィンしたい(笑)

か:いいね。じゃあ、SDGsのゴールでもある2030年は、何してるのかな?

順:僕は50過ぎかぁ。そうですね…プロジェクトの社会的な価値と経済的な価値を融合させていたいです。「湘南100CLUB」の社会的価値はわかってきたんですけど、今は神奈川県の補助金で活動していて、収益を得ながらどう発展させていくかについてはまだまだなので。

かわていさん

か:経済的価値を生み出していかないと、続かないんですよね。SDGsも、環境・経済・社会をひとつのものとして考えて、「人間と地球と繁栄のための行動計画」と言っていて。貧しくても心が豊かならいいとかキラキラ言葉じゃなくて、自分たちが納得できる暮らしを続けられる程度の金儲けはしないとね。

順:それを勉強するために、去年の9月から新規事業に取り組む子会社に異動したんです。以前もこの活動のために週4勤務にしていた時期があったんですが、続けていることを評価してくれて、会社が希望を受け入れてくれました。

か:ほぉ、働き方も突っ込んでいってますね。

順:「湘南100CLUB」のテーマでもあるんですが、僕自身、自分の人生は自分で舵を取って進みたいと思っていて。会社に頼る、地域に頼る、ではなくて、主体性。自分のやりたいことも実現して、会社にも地域にも還元できて、会社とも地域とも対等な関係でいながらともに歩んでいきたいです。そういう意味でも、僕はかわていさんを師匠だと思っています!

か:ひゃ〜、恐れ多い!でも対等って視点は大事ですよね。僕は4月から茅ヶ崎市のSDGs推進アドバイザーになったけど、SDGsって、一番遅れているところに手を差し伸べるというのが本質で。佐藤光市長は、それは子どもを健全に育むことだと言って頑張っているし、茅ヶ崎市民一人ひとり、気付くところはそれぞれ違うと思う。それをみんなが大事にしたらいい。2030年には、官も民も連携して、人々が「やりたい」と思っていることが地域を良くして、かつ、お金が回って生活ができるようなまちをつくっていきたいですね!


チガラボ
茅ヶ崎駅徒歩3分にあるコワーキング
スペース。16歳〜77歳、約100名の会員が利用。ヒトのつながりから、新しいコトを生み出し続けている。

バリアフリー 遊び場Luana in Southernbeach
年齢や障害に関係なく誰でも気軽に海を楽しめることをコンセプトに、2019年8月、サザンビーチで茅ヶ崎市初のイベントを開催(写真右)。
かわていさん

湘南100CLUB
人生100年時代を自分らしく豊かに生きる人をロールモデルとし、これからの生き方・暮らし方をアップデートしていくプロジェクト。NPO法人湘南スタイルが運営する「湘南ワンハンドレッドプロジェクト」(神奈川県との共同事業)のひとつとして活動している。

たくらみごと
暮らしの中の小さな困りごとを、ちょっとしたアイデアで楽しみながら解決していくプロジェクトのこと。ウェブメディア「TAKURAMI」では、試しにやってみたくなるようなたくらみごとを紹介している。 https://takurami.org/

“きれいごと”とは
みんなが本当はこうした方が良いと思っている「きれいごと」。そのままに行動するとこれまでは揶揄されましたが、これからは未来世代のための行動を褒め称える社会をつくっていきましょう! 

かわていさん

きれいごと委員長
かわていさん

川廷昌弘(かわてい・まさひろ)。「きれいごとで勝負!」をキーワードに世界を股にかけて活動する茅ヶ崎人。博報堂DYホールディングス グループ広報・IR室CSRグループ推進担当部長、環境省SDGsステークホルダーズ・ミーティング構成員、神奈川県非常勤顧問。2019年12月より「茅ヶ崎市SDGs推進アドバイザー」に就任し、茅ヶ崎らしいSDGs推進をたくらみ中。

かわていさん

SDGsは、2030年までに持続可能な社会を実現するために世界が合意した国際的な目標。2015年9月の国連総会で採択された。「貧困の撲滅」から「パートナーシップ」まで、社会、環境、経済の3つの側面が含まれた17の目標で構成されている。SDGs自体を目的化せず、コミュニケーションツールとして使いこなすことがポイント。

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