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チガサキゴトよ、チーガ

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海街の本棚

シルヴィア・ジョンソン
「世界を変えた野菜読本」

晶文社 一九九九年

野菜読本

 読了。

 大航海時代(一五世紀〜一七世紀)を経て、南北アメリカ大陸から、ヨーロッパ、アフリカやアジアへ伝播していった野菜たちの物語。なかには、原産地とは違った食べ方になって、ブーメランのように戻ってきたものもある。トウモロコシ、ジャガイモ、ピーマンを含むトウガラシ、トマト、インゲンマメ、ピーナッツ、カカオ。この七つの野菜にページが割かれているが他にも、カボチャ、パイナップル、バニラ、アボカド、イチゴ、カシューナッツ、キャッサバなど南北アメリカ大陸を原産地とする作物が登場する。

 ヨーロッパやユーラシア大陸に持ち込まれ広まったトウモロコシやジャガイモは、単位面積当たりの収穫量が多かったからというのはわかりやすい。一方、新しい食べ物がゆえにアレルギーが広まったり、その見た目の形からタブー視されていたものがあったりして野菜とはいえ、その普及の道のりは平坦ではなかった。

 トウガラシなどは、まずアジアで短期間に広まり、ヨーロッパに伝わった。確かに、漢字でも唐辛子と書くし、中南米が原産とは思ってもみなかった。

 カカオのパートでは、キスチョコ型の街灯のあるハーシーや、ヴァンホーテンの紹介もあり。甘いココアを飲みながら、もっと掘り下げて読んでみたい気にもなる。

 およそ、これらの野菜が存在しない現在なんて想像できない。キャッサバまでは食べたことはないが、トマトソースのないパスタ、辛くない麻婆豆腐、ピーナッツの入っていない柿の種、チョコレートのないお菓子屋……なんてありえない。ただ、読んでいてちょっと悔しかったのは、これらの野菜を使った料理や食べ方がいろいろと紹介されているけれど、カタカナの活字だけではよくわからず、すぐにピンとこないのだ。料理に詳しい方や、世界各地の料理を食されている方はイメージもすぐにできて、より一層楽しめると思う。羨ましいかぎりだ。


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