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宮崎陶房

宮崎陶房
右上から時計回りに:ざぶとん丸皿 4,620円、平らなプレート 3,850円、小鉢  各 2,750 円

器の料理:DELICATESSEN  LAMAのデリ
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宮崎陶房

宮崎和佳子さんの作陶見学
@宮崎陶房

 着席。正面にろくろを置き、その上に厚さ5ミリ直径30センチほどの円状に伸ばしておいた粘土を木の板ごと乗せる。面相筆に専用の液をつけ、粘土の端まで届くようにして十字を描いた。十字のそれぞれの脇にもう1本づつ足し、6本を描き終えると道具をナイフに持ち替え、粘土をカットする。ナイフは中心部から外へ、また中心に戻ってを繰り返しながら弧を描き、線が繋がったところでナイフを置いた。外側の粘土を外すと4枚の花弁が中心で繋がった花の形が残った。休まず作業が続く。隣どうしの花弁を根元から両の指先で丁寧にくっつける。花弁たちは宮崎さんの誘導に素直に従い、平面から立体にふくらんでいく。

 粘土をカットするときナイフは板に対して垂直ではなく、斜めになっている。その角度を利用し切り口を接地させながら組み立てるので効率がよく作業が早い。見惚れているうちに、宮崎さんのカップがひとつ、非常事態宣言中の静かな工房で生まれた。

「カタチで、がんばりたい」

 宮崎さんの器を改めて観察してみた。いつも使っている茶碗型のものを手で包んだり触ったり、意識的にかたちや凹凸を、こちらの手のひらや指先や目でなぞってみる。表面は、布目の模様がついていたり、するりとしていたり、部分的にざらっとしていたりと、ひとつの器のなかに幾つもの模様や質感の発見があり、また愛着があがった。

 宮崎さんの器が宮崎さんの器たらしめているものとして《色》がある。大きくは2色で、ほんの少しグレーと黄味が入った《白》と、少しくすんだ明るめターコイズ系の《青緑》。

 陶器は材料や技術など、選択の無数の掛け合わせから生まれる。使う色を前もって限定したのは、その中の選択肢を減らすのが目的で、そのぶんかけたかった場所、それは《カタチ》だった。宮崎さんは今回のインタビューの中で「カタチで、がんばりたい」と3回言っている。

宮崎陶房
急須 6,050円、マグカップ 3,850円、オーバル皿 (参考商品)3,300円

 やさしくてきれいなラインを持った宮崎さんの日常食器にはファンも多く、作る端から売れていくし、たくさんの飲食店からオリジナルのオファーもある。インスタのフォロワーは600超え。それでもなお「がんばりたい」とは恐れ入る。いや、それだから人気があるのだろう。

 日常食器を作るのが好きで、生業にできればという思いから、陶芸教室を一緒にした『宮崎陶房』をつくったのは2010年。制作と教室の為の工房がメインで、奥には販売スペースがあり、オープンさえしていれば案内してもらえる。また、運がよければここにしかないレア物にも出会えるらしい。

宮崎陶房

 販売といえば、最近はインスタでも始めたとのこと。「写真って難しいね。ぜんぜん思ったように撮れない。投稿したら、サイズ感が分からないとコメントがきて慌てて測ったり…」と言いながらも、ちょっと嬉しそう。反応がダイレクトなので面白いのだと言う。

 「雑木林や竹林もあったんですよ」陶房のある浜竹は宮崎さんが生まれ、育った地区でもある。DELICATESSEN LAMA(デリカテッセン ラマ)の桜井さんとは浜竹のイベント仲間。「友人と工房で飲み会をする時など、ラマさんでテイクアウトして、ここにある器に移し換えて楽しみます」。

*料理の皿の撮影は、あらかじめ桜井さんに器を選んでもらい盛り付けしていただきました

宮崎陶房
宮崎和佳子さん

writer:小嶋

INFORMATION

宮崎陶房

住所 浜竹2-8-6
TEL 090-6116-6492
営業時間 10:00~18:00  ★陶芸教室:1回だけの参加もできます(4,000円/材料・焼成費が別途) ★販売所(お声掛けください)
定休日 月休
URL miyazakiwakako.com、instagram@wakakomiyazaki

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