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ベッカライタカヤマ

浜竹
前列左から高山光代さん
英夫さん、翔太さん。
後列はスタッフのみなさん
浜竹通り沿いにある、かわいらしい木の看板と店構え。色とりどりのデニッシュをはじめ、毎朝バラエティに富んだパンが並びます。9時の開店直後から馴染みの客がひっきりなしに訪れる様子を見ていると、この地域になくてはならない存在なのだというのが想像できます。
「住みたいところで店を開いたんです」と話してくれたのは、店主の高山英夫さん。東京・下町の出身で実家もパン屋さん。20歳の頃はパティシエを目指していたが、そこで尊敬する師匠と出会い、世田谷のドイツパンの店で修業を積んだ。35歳でこの店を始めて15年、今も近くの浜でサーフィンをし、海でお客さんに会うことも。最初はドイツパンが多めだったパンのラインナップも、湘南の海とお客さんの要望に揉まれ、少しずつ種類が増えて多彩になりました。

①クラブハウスサンド 345 円、②クリー ムパン 140 円、③あらびきロングウイ ンナー 378 円、④モーンプルンダー 151 円、⑤フレンチトースト 140 円、⑥アッ プルパイ 248 円、⑦カツサンド MIX486 円、⑧バタール 237 円、⑨クロワッサ ン 140 円、⑩紅玉リンゴとカスタード のデニッシュ 183 円、⑪いよかんとブ ルーベリーのデニッシュ 216 円、⑫パン・ オ・フリュイ 540 円、⑬イギリスサン ド 388 円、⑭プンパーニッケル 360 円、 ⑮フランボワーズのデニッシュ 216 円、 ⑯紫いものデニッシュ 194 円、⑰モン ブランデニッシュ 216 円

朝一番に焼きあがるデニッシュに は、その時々のフルーツなどに合わせ てクリームを使い分ける。宝石のよう に各種デニッシュが仕上がり、少数 ずつ多種のパンを並べていく。「いつも来てくれるお客さんのために、 一日に何回もパンを焼いてます。いつも好きで買っているのに今日はないじゃんって言われるのが申し訳なく て。」と、一緒に店を切り盛りする 高山光代さんが教えてくれた。実は、 光代さんの作るサンドイッチが Cheeega 編集部の最推しでもあるのです。感動のツボは、サンドイッチのパ ンがしっとり・ふんわり、ほろりとし ていること。一口ほおばると幸せに包まれるこのやわらかさの秘密を聞いてみると…。

「パンの出来に合わせて調節しながら切ってるからかな。あんまり押したらパンがかわいそうかなって」
毎日触っているとわかるという感覚で、塗るときのさじ加減、切るときの力加減を絶妙に調節する神業で生み 出される逸品なのでした。
「それとやっぱり、パンがおいしいか ら」と光代さんが言うと、「え、そん な褒められたの初めてかも」とちょっ と照れながらも嬉しそうな英夫さん。その英夫さんが一番愛するパンとい えば、やはりこの食パンだそう。 「毎日買いに来てくれる人もいるし。 オープンからずっと通ってくれてる 人もいるから。そうするともう、変えたくないというか」
「材料を混ぜた後はなるべく手作業 で。手の感覚を大事に、やさしく扱う。 それで食感とかも変わると思うので」
「粉の調合も、バランスですね。おい しいパンというのは、耳がおいしい。 出来具合も耳で確かめます。サンドイッチを自分で作る時にも耳を使ってください。耳を捨てないで〜!! 」
でも、チェッカーサンドだけはお年寄りや子どもも食べやすいように耳を落とすという心遣いも。
そんな愛情深いご夫婦のもと、長男の翔太さんもこの店で働く。次男の誠也さんは湯河原のパン店で修業中。

親子3代に渡って自然とパンに携わる というのもこの時代においてとても貴重で、ちゃきっとした雰囲気の素敵なご家族です。
「長時間発酵のフランスパン」も注目の品。夜のうちに仕込み、少なめのイーストでゆっくり発酵させるフランスの伝統的な製法が、小麦の風味を引 き立てます。切り分けた瞬間の香りをぜひ味わって。 レジ脇でクラブハウスサンドが売 られていたら、ぜひ。皮までもしっとり食感の「パン・ペイザン」を使っていて味わい深い。スライスした場所に よりサイズと値段が変わるのも乙な もの。冷蔵庫に並ぶ各種サンドイッチも、できたてが飛ぶように売れてしまうので、その時々の出会いを大切に。 用途や予算、好みを伝えれば、オードブルの予約も可能ですよ。

writer:前田ゆかり
茅ヶ崎在住7年目、2男児の母。茅ヶ崎の街と人が大好きで、取材を通して新しい出会いに感謝しています