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チガサキゴトよ、チーガ

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海街の本棚

ヴィトルト・リプチンスキ
春日井晶子訳

「ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語」

早川書房 二〇〇三年

海街の本棚

 今回ご紹介する本は、「ねじ」と「ねじ回し」のお話です。本のタイトルには、この千年で最高の発明とありますが、ねじの原理そのものは、二千年以上前の古代ギリシア文明にまで遡ります。

 ねじの起源は「水ねじ」と言って、農業や飲用のために、池や河から水を汲み出すために発明された大きな筒状のものです。

 一方「ねじ回し」は、今でこそ、ドライバーに代表されるように真っ直ぐな棒ですが、小さな力でも重いねじを回しやすくするように、持ち手をクランク状にする工夫がされたこともあったそうです。

 ただ、「ねじ」が飛躍的な進化を遂げたのは、悲しいかな中世以降の戦時の需要があったからだったとのこと。大昔は、甲胄の組み立てに使われ、日本に伝来した火縄銃も、ねじの存在なしにはありえなかったそうです。

 そんな歴史の一方で、産業革命期の蒸気機関の製造や鉄道建設には、「ねじ」と「ねじ回し」は大きな役割を果たしたことでしょう。二千年以上前の発明が、連綿と続く我々の生活の土台を支えていると思うと、小さなねじ一つにも重みを感じますね。

 そんな文明の起源となる「水ねじ」を発明した人、それはアルキメデスです。

 アルキメデスは、本書で「ねじの父」と呼ばれ、古代ギリシア文明が誇る優秀な科学者、物理学者であり、天文学者、発明家。そして、生まれは本誌のイタリアン特集に合わせたように、イタリアのシチリア島なんだそうです。


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