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チガサキゴトよ、チーガ

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SATOYAMA育ち

草団子と柏餅

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 昔は春になると道端や畑にたくさんのヨモギが生えていました。学校帰りに摘んで帰ると母がよく草団子を作ってくれました。

 春のお彼岸にお供えする草団子は、農家のおもてなしには欠かせないものでした。草団子は団子の粉(米粉)で作ります。今は買ってきますが、父が子どもの頃には石臼で挽いたものを使っていたそうです。ヨモギは重曹を入れたお湯で茹でて包丁で細かくたたき、蒸した生地に混ぜます。今でも母がツヤ良くキレイな緑色に仕上げるのは流石だと思います。大量につくる時は杵と臼でついたりもしましたが、だいたいは手で捏ねていました。忙しい農作業の合間に良く作ってくれていたなと感謝です。できあがった草団子にきな粉と砂糖をタップリかけていただくのは今でも至福の時間です。

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ヨモギ

 昔から重宝されているヨモギ、今では生のものは貴重になりました。ヨモギはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれるハーブの女王です。粉末でも売られていますが、茹でてミキサーでペーストして冷凍しておいて白玉粉で簡単に草団子を作ったり、パンやお菓子に入れて楽しんでいます。

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ヨモギを摘む里山の竹林

 春のもう一つのおもてなしはお節句の柏餅です。昔はこいのぼりをあげるのも、柏餅づくりも家族総出でした。柏餅の団子は杵と臼で搗き、餡子は自家製でした。その団子を包むのは大きな柏の葉で、祖母が大事そうに戸棚の奥の缶から出してきたのを覚えています。今でも国産の柏の葉は貴重ですが、当時も厚く大きな柏の葉は貴重だったらしく、食べると回収して洗い乾かし、蒸して使っていました。父の兄弟や親戚、孫に配るために大きな木箱に並べると和菓子屋さんのようでした。

お手伝いしながらオリジナル柏餅を頬張るのが私の美味しい記憶です。  


高橋浩美

髙橋浩美 Takahashi Hiromi
実家が茅ヶ崎里山で代々農家の野菜ソムリエプロです。実家での筍や大根の収穫体験BBQを通して里山の良さを伝えるべく「湘南の里山を楽しむ会」を主宰しています。野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食育インストラクター/命の食事アドバイザー/かながわブランドコンダクター/湘南ベジフルふぁんファン

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