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La Table de Toriumi
東海岸南
コースのひと皿ごとがアート作品。
トリウミ、秋のラグジュアリーデザート
一中通りに店を構えて35年、茅ヶ崎屈指の老舗レストラン「ラ・ローザンヌ」。家庭的なフレンチレストランとして人気を博すが、その始まりは洋菓子店。店頭のショーケースからお客を出迎えるケーキたちは、シンプルながら気品があり、どこかレトロで懐かしさもある。
とびきり贅沢でおいしい時間を味わいたい時、茅ヶ崎にはトリウミがある。市内外に多くのファンを持つフレンチレストラン『ラ・ターブル・ド・トリウミ』は2000年に松が丘の閑静な一軒家でオープンし、中海岸に移転して5年目を迎えた。
まずは、これからの時季に振舞われるデザート3種の話を。
鮮やかなボルドーのアイスが添えられた「イチジクとマスカルポーネのムース」。スライスされたイチジクを、マスカルポーネムースの周りに花びらのように重ねたさまは、お皿の上に咲いた秋の花のよう。アイスにも使われているイチジクの甘みは奥ゆかしく、ラグジュアリーで大人な味わいが堪能できる仕上がり。
また、「山形県産洋梨のコンポート」は、赤ワインのコンポート液で煮て一晩漬けた洋梨の上に、同じく洋梨で作ったシャーベットを乗せたもの。食感の異なる洋梨をいっぺんに味わえるのがなんとも嬉しい。
そして最後に、国産とフランス産の栗、両方を使ったモンブラン。栗の風味、バターのコク、生クリームが三位一体となった満足感たっぷりのデザートだ。添えられたキャラメルベースのアイスにももちろん栗がたっぷり入っている。
濃厚な味わいはまさに海のミルク。ワッと柔らかい。
仙鳳趾(せんほうし)産の牡蠣を使ったショーフロア
ランチのコースメニューを順に。前菜の「秋野菜と茸いろいろ ア・ラ・グレック」は数種類の秋野菜やきのこ、魚介を使った贅沢なサラダ。「ア・ラ・グレック」は日本語に訳すとギリシャ風野菜のマリネ。
「主役は野菜ですが、ジロールやトランペットなどフランス産きのこのインパクトも楽しめます」と鳥海シェフ。
何より胃袋を掴まれたのが「仙鳳趾の牡蠣 冷製ショーフロア」。ショーフロアとは、加熱した素材を冷まし、冷たいソースを使う料理のこと。北海道厚岸湾の仙鳳趾でとれる極上の牡蠣をサッと湯がき、牡蠣汁入りのクリーミーなソースをかけ、仙鳳趾の海水とシャンパンのジュレをあしらった。
牡蠣の持つ濃厚なミルク感と、酸味とともに香るシャンパンの風味に、目を瞑り余韻を楽しみたくなる一品だ。
野趣あふれる魚介の串刺し料理(プロシュット)は、
ハーブの香りと共に
今回のメインは「漁師風ブロシェット 〜小さなサラダと共に〜」。スライスしたズッキーニを巻いた帆立、じっくり蒸した穴子、海老、イカのグリルと、ソテーした金目鯛を串刺しにし、その脇に軽く焼いたイワシのコンフィが並び彩り豊かで心が躍るひと皿。
油分も塩味も控えめだが、代わりにハーブ、エシャロット、レモンの風味が、香ばしい野趣あふれる魚介をふんわり包む。爽やかでほろ苦い香りが魚介と好相性のディル、やや甘味のあるスパイシーなエストラゴンなどのハーブは、メインの魚介たちを引き立てる名脇役と言ってもいいかもしれない。
鳥海シェフの手がける料理はどれも美しい。美大出身でフランスに美術留学するも料理に魅せられ料理人になった。それでもキャンバスが皿に変わっただけでアーティスト鳥海が「作品を生み出す」という行為は変わらないのだ。
ちなみにメニューは食材を見極めながら月ごとに組み替わっていく。21年目の今も常により良い食材を探し求め、場合によっては定番にもメスを入れる。『ラ・ターブル・ド・トリウミ』は今も進化の途中にいる。
INFORMATION
La Table de Toriumi(ラ・ターブル・ド・トリウミ)
住所 | 中海岸1-1-12 |
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駐車場 | Pなし |
TEL | 0467-84-0484 |
営業時間 | ランチ 12:00~14:00(L.O.) ディナー17:00~20:00(L.O.) |
定休日 | 火・第2月曜休 |
URL | la-table-de-toriumi.com |