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チガサキゴトよ、チーガ

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ラ・ローザンヌ

東海岸南

老舗ならではの気品と味わいが楽しめる
いちごのショートケーキ


「いちごのショートケーキ」
(セットのデザートは 平日のみ)

 一中通りに店を構えて35年、茅ヶ崎屈指の老舗レストラン「ラ・ローザンヌ」。家庭的なフレンチレストランとして人気を博すが、その始まりは洋菓子店。店頭のショーケースからお客を出迎えるケーキたちは、シンプルながら気品があり、どこかレトロで懐かしさもある。

 中でも心惹かれるのが、イチゴのショートケーキ。一口頬張ると、ほどよい甘さのコク深い生クリームが、しっとり柔らかいスポンジを口の中で包み込む。満足感は残しつつ押し付けがましくない後味には、店主・石渡さんの人柄がにじみ出る。

 「スポンジは店によって材料の配合が違います。それに伴って口当たりも違ってくるんですが、自分の中ではこのバランスが一番かなと」

 またショートケーキに重要な原料の生クリームは、乳製品の老舗・中沢乳業から仕入れる。中沢乳業とは店をオープンする前からの付き合いで、先代の社長とも懇意にする。

 「中沢さんあってのうちのショートケーキ。本社は新橋にあるんですが、明治元年の創業当時は中沢さんの牧場があったと祖父から聞いています」

 現在は後を継いだ息子さんがケーキ作りを担当するが、いちごのショートケーキのレシピは開店当初石渡さんが考案したものを使い続けている。

皮目はパリッと、中はフワッと柔らかい。
自家製の香草もトッピングされた地鶏のポワレ

「地鶏の皮パリット焼きランチセット」
(パン、サラダ、スープ、デザートのケーキは平日のみ、コーヒーまたは紅茶)1,760円

 

 息子にケーキ作りを任せた石渡さんは、現在専ら料理に勤しむ。

「親子で一緒にやるとケンカするでしょ(笑)。だからお菓子のほうは息子に任せて、僕は料理をやることにしたんです」

 今回作っていただいのは、「地鶏の皮パリット焼き」。皮目がパリパリになるまで焼き上げた鶏肉を、たっぷりキノコとショートパスタのソテーの上に載せたもの。味付けにはワインと香辛料とフォンドボー、そして醤油。これがしつこくなりがちな肉料理にさっぱり感を与え、上品な和風のポワレに仕立て上げる。

 平飼いされた地鶏はフワッと柔らかな口当たりで、脂っこさは一切なし。トッピングされた自家製のタイムやローズマリーが、これまた香ばしい皮目と醤油の風味によく合うのだ。

 このランチセットには、野菜サラダと季節のスープ、パン、デザートにお好みのケーキ(平日のみ)とコーヒーまたは紅茶がつく。サラダとスープはいわゆるランチの付け合わせではなく、コース料理のボリュームとクオリティ。エシャロットがきいたホワイトバルサミコを使ったドレッシングも絶品だ。

祖父は帝国ホテルの8代目総料理長
されど我が道をゆくアウトローな人生

左から、石渡洋子さん、俊文さん

 

 ケーキから本格的なフレンチまで、自在に腕を振るう石渡さん。じつは祖父は帝国ホテル8代目総料理長の石渡文治郎氏。近代日本にフランス料理を広めた立役者と言われる人物だ。

 父親も同じく帝国ホテルの料理長を務めたが、石渡さん自身は踏襲より独立の道を選んだ。スイスの由緒ある五つ星ホテル「ボー・リバージュ・パレス・ローザンヌ」や神田の名店「エスワイル」などで修行したのち、田園調布のレピドール勤務を経て、辻堂で独立、そして茅ヶ崎へ。ここへやってきたのは知人からの紹介がきっかけだったというが、この地でなかったら店は持たなかったかもしれないという。

 「もともとサーフィンが好きでね。茅ヶ崎には学生時代からよく通ってたんです。独立には子どもが小さかったから妻は反対したけど、それでも来ちゃいました。茅ヶ崎大好きだから(笑)」

 華やかな出自や経歴を持ちながら、そこに囚われることなくマイペースに我が道をゆく。この軽やかさ、自由さが、この店の最たる魅力かもしれない。


INFORMATION

ラ・ローザンヌ

住所 東海岸南4-11-24
駐車場 P2台
TEL 0467-85-8810
営業時間 ランチ 11:30~14:30(L.O.) ディナー 17:30~20:00(L.O.) 洋菓子の販売は 10:30〜20:00
定休日 木曜休 ※現金のみ

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