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そばと天ぷら 楽山
元町
最初は何もつけず→ 藻塩→ 麺つゆ、の順で楽しむ
本格手打ち十割そば
新そばの豊かな香りを湛えた、つややかで美しいそば。そば本来の味や香りを感じてもらうため、最初は何もつけず、そばのみをシンプルに味わっていただきたいという。
上品に一本ずつすするのが正しいのかと思いきや、「遠慮せずガッツリいってください」と店主の山内さん。そばそのものの風味や香りを楽しむには、むしろ大胆に頬張るのがおすすめだとのこと。
「そばだけの次は、箸の先に塩をちょっとだけつけて、そばを食べてみてください」淡いベージュ色の塩をつけてツルツルっといただくと、そばの旨味が前面にググッと押し出されてくる。まろやかでとがりのない藻塩が、そばの優しい甘味をうまく引き出してくれるのだ。
塩の次は麺つゆで。楽山のつゆは色の濃い江戸前ふうで、分量もそば猪口に三分の一程度と少なめだ。
「最近は薄めでたっぷりのつゆにつけていただく店も多いですが、うちは濃いめのつゆで味わっていただいおります」 と言っても、濃いのは醤油ではなく出汁。鰹の風味がしっかり効いた濃いめのつゆに、食後に出されるそば粉を溶いたトロトロのそば湯を注いでいただくのが、これまたたまらなく美味い。
高級料亭を思わせる、
深く繊細な味わいのつまみの数々
楽山はそばだけでなくつまみも絶品。中でもおすすめなのが琥珀色のジュレのかかった胡麻豆腐と、気持ち甘めの出汁巻卵。いずれも高級料亭を思わせる繊細かつ細やかな気配りの効いた味付けだ。
「胡麻豆腐は塩気のあるジュレとのバランスを考慮して少し甘味を強くしています」
濃厚な胡麻豆腐はもっちりと粘りがあり、一口食べるや胡麻の香ばしい風味が口一杯に広がる。そこに加わるジュレの程よい塩味。これはもう日本酒が進むこと間違いない。
一方出汁巻卵は一般的なものと違い幾重にも巻かず、2回で焼き切る。オムレツを作るようにかき混ぜながら作るため、口当たりはふんわりとまろやかだ。
そしていうまでもなく天ぷらも一級品。むっちり身の詰まった海老天をはじめ、黄金色の美しい油でカラッと揚げられた天ぷらは、いくらお腹に入りそうなくらいサクッと軽やかである。
左から、山形県産超辛口の山法師、
フルーティで飲みやすい京都産のまつもと、
すっきりキレのある山形の秀鳳、爽やかさとコクを併せ持つ秋田の角右衛門
そばの伝道師になりたい。
そばの魅力に魅了され、人生が一変。
山内さんが元町に店を構えたのは3年前。「そばは、日本を代表する和食でこんなに美味いものなのに、人々にあまり食べられていない」とサラリーマンを辞め、この道に進んだ。西荻窪の鞍馬や鎌倉の千花庵などの名店で研鑽を積む中で、美味いそばを作るには「そばと対話する」のが重要だと学んだという。
「そば打ちは品種ごとの特性の把握だけでなく、気温や湿度にも左右されます。最高のそばを提供するには、日々そばと向き合うことが大切です」
12月には産地、種類ともに異なる2種類のそばをいただける食べ比べそばもお目見えする。出される種類は日によって変わるが、香りや食感の違うそばをいっぺんにいただけるまたとないチャンス。この時期ならではのそばの醍醐味、ぜひ味わっていただきたい。
INFORMATION
そばと天ぷら楽山(らくさん)
住所 | 元町5-5 ノーブルV 1F |
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駐車場 | Pなし |
TEL | 0467-84-9338 |
営業時間 | ランチ 11:30~14:30(L.O. 14:00) ディナー 17:00~21:00(L.O. 20:30)・そばはなくなり次第終了 |
定休日 | 月・火休 |
URL | instagram/fb |