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celeste
共恵

夏をたのしむイタリアン

マコガレイにスッと刃を入れると切り口がぱつんと開いて弾力のある半透明の身が覗きました。
「仕入れ先の魚屋さんに教えてもらったのですが、魚は大きさではなく太り方なんです。大きくても痩せていては身質が劣り、逆にちいさくてもまるまるとしたものは味が乗っている。実際そうなんですよね」
とチェレステの佐々木さん。美しく切り取られたマコガレイは黄色のパッションフルーツのソースが添えられ、目にも爽やか〜。
丁寧につくられた料理を冷えたワインとたのしむ。特集はそんな夏のイタリアンなひとときをイメージして作りました。
信頼できる目利きから仕入れた
鮮度抜群の魚料理を楽しむ隠れ家的イタリアン

駅から徒歩約10分、サザン通り商店街の一角に、隠れ家的雰囲気のなイタリアンがある。その名はチェレステ。 新鮮な魚介と鎌倉野菜をふんだんに使った料理に定評がある。一日三組限定の完全予約制でランチ、ディナー共にコース料理のみにも関わらず、その味を堪能しに訪れるお客は引きも切らない。

実際、チェレステの魚料理はイキの良さが違う。前菜で出された魚介は、どれもクセや臭みが一切ない。魚料理はしばしばソースや付け合わせで本来の味がごまかされがちだが、ここの料理は余計なカムフラージュがなく、魚の味がダイレクトに楽しめる。さばいたばかりのマコガレイは透き通るように美しく、フリットした穴子はふっくら肉厚、抜群の鮮度が感じられる。
「例えばマコガレイでいうと、神経締めといって、その場で生きた魚の神経を抜いてもらいます。で、そこからできるだけ早く内臓を抜き、綺麗な状態を保つようにする。最初の処理によって、味がかなり変わってくるんです」
と教えてくれたのはオーナーシェフの佐々木寿人さん。最高の状態でお客様に提供するため、ご予約に合わせて市場に行き信頼できる目利きから仕入れる。美味い魚料理を提供する裏には、数々の試行錯誤の成果が隠されているのだ。

昆布出汁で旨みを引き出しす付け合わせや
ジェノベーゼのバジルは朝採れの鎌倉野菜

チェレステのもう一つの魅力は、前菜やメインに付け合わせる鎌倉野菜。フランス産の鋳物ホーロー鍋を使い蒸し焼きにするが、このときわずかに昆布だしを入れる。こうすることで、素材の旨味がグンとアップし、野菜のポテンシャルが120%引き出される。味付けはシンプルに、塩とオリーブオイルのみ。強い旨味を持つ、ほのかに甘しょっぱい中国産の塩がさらに野菜のおいしさを引き立たてる。
ちなみに、本日のパスタ・ジェノベーゼで使用されているバジルも、朝採れの鎌倉野菜だ。新鮮な香り高いバジルには、松の実をたっぷり投入する。多めに松の実を使うことで、濃厚なジェノベーゼに仕上がるのだ。
一方バジルソースと絡めるのは、平打ち麺のタリアテッレ。こちらは卵を入れずに打った自家製麺。卵なしのほうが麺にコシが生まれ、バジルソースとの相性が良い、と佐々木さん。ソースだけでなく麺そのものも、料理によって配合や打ち方を変えるのである。
コロナを期に完全予約制へ
素材にこだわり手間ひまかけるスタイルへ
佐々木さんは店を構える前、京イタリアンの名店・イルギオットーネで修行を積んだ。素材にとことんこだわり手間ひまかけるスタイルと、そこで働く先輩たちの姿勢や技術に感銘を受け、自身の進むべき道を決めた。リーズナブルなランチやアラカルトをやめたのも、コロナを機に初心を思い出したからなのだそう。
「せっかくやるなら一品一品に全力投球し、大好きな魚料理にこだわりたいのでコースのみの完全予約制にしました」
と佐々木さんは力強く語ります。

チェレステでは料理を美味しくいただくのに欠かせない存在として、ワインのセレクトにも相当力を入れている。
「魚には白ワインと言われますが、赤やロゼの相性の良い自然派ワインを取り揃えています」
極上のワインと、真心込めた無敵のイタリアン。最高の夏が楽しめそうだ。


INFORMATION
celeste(チェレステ)
住所 | 共恵2-1-35 |
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駐車場 | Pなし |
TEL | 0467-39-6040 |
営業時間 | 完全予約制 / ランチ: 11:30 ~ 14:30(L.O. 13:00)4,290円/6,380円/9,900円 / ディナー: 17:00 ~ 22:30(L.O. 20:00)6,600円/9,900円/16,500円 |
定休日 | 月休、他不定休あり |