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茅ヶ崎うまれの ものさがし
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ナスナスショッピ
ナスマサタカさん

ようこそ、
ナスマサタカ・ワールドへ
南湖商店街の一角で独特の存在感を放つ「ナスナスショッピ」。一歩足を踏み入れると、昭和とメルヘンをかけ合わせたようなナスマサタカ・ワールドが広がります。異空間へと誘うBGMの中、出迎えてくれた色とりどりの人形たちは、表情があるのかないのか、こっちを見ているのかいないのか。ぐいぐい心を奪われ、いつのまにか世界観にどっぷり。ものすごい吸引力なんです。

まちのパン屋さんみたいにアートを届ける
ナスマサタカさんは、川崎生まれの神戸育ち。グラフィックデザイナーから独学でフリーの作家に転向した翌年、1995年に阪神・淡路大震災でアトリエが半壊。「もう神戸ではできない」と、同年愛知県に拠点を移し、その後東京へ。まちを移すことで「輪が広がる」ことを実感したそう。「住むには海の近くがいい」と、茅ヶ崎へ流れ着いたのは2000年のこと。中海岸にある海まで徒歩2分のアトリエで活動したのち、南湖へ。8ヶ月もかけて自分でDIYをほどこしたアトリエ兼ショップに腰を据えました。「ここでつくってここで売る。パン屋さんとかケーキ屋さんのようにアートを届けるっていいな、と思って」。50歳を機にイベント出店やワークショップ、受注生産をやめ、つくりたい作品の制作と個展に専念。制作期間中は集中するためにショップはクローズ。それでも、カウンター越しのナスさんのはにかみ笑顔に会うために、ふらりと立ち寄る人も多い。「ここに来て6年。今がいちばん自由です」。

子どもの頃思い描いた
ユートピアに行きたくて
それにしてもこの世界観、ナスさんの風貌とは少なからずギャップがあり(失礼!)、その原点を探らずにはいられません。「保育園の頃に思い描いていたユートピアが脳裏にあって、そこに行きたくて、風景を絵にしたり動物たちを形にしたり音楽をつくったりしてるんです。近づいてるけど、まだまだ。たぶん死ぬまでたどり着けないかな」。なんと。ナス・ワールドは幼少の頃に見た原風景の再現なのでありました。「ユートピアに向かっているものなら、表現は何でもいい。アニメーションもやりたいですね。まだまだ作品を追求していきたい」。現在52歳。飽くなき探究は続きます。

ナスマサタカ:画家・造形作家
1967年川崎生まれ、茅ヶ崎市在住。独学で学んだ絵と立体と音楽を、南湖にあるアトリエ兼ショップで制作・販売。絵はアクリルや水彩、立体はポリエステル樹脂を成型、音楽はDTMにおもちゃの楽器を使用。「ナスナス楽団」として自主制作CDアルバム3枚。
ナスマサタカ展:2020年2月22日(土)〜29日(土)ナスナスショッピにて開催
writer:池田美砂子
フリーランスライター・エディター。茅ヶ崎市在住、2児の母。
大学卒業後、SE、気象予報士など会社員として働く中でウェブマガジン「greenz.jp」と出会い、副業ライターに。2010年よりフリーランスライターとして、Webや雑誌などメディアを中心に、「ソーシャルデザイン」をテーマにした取材・執筆活動を開始。聞くこと、書くことを通して、自分が心地よいと感じる仕事と暮らしのかたちを模索し、生き方をシフトしている。
INFORMATION
ナスナスショッピ
住所 | 茅ヶ崎市南湖4-3-26 |
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定休日 | 不定休(お店の張り紙または Instagram @nasnasgakudanにて告知) |
URL | Instagram @nasnasgakudan |