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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.20
オンブバッタ
DATA : 日本全国に分布。体長オス25mm前後。メス42mm前後。キク科・シソ科・ナス科など様々な植物を食べる。成虫は8月頃出現し、12月頃まで見られる。体色は緑色、或いは褐色、稀に鮮やかなピンク。
⌘ オンブバッタは親子? それとも……
大きなほうのオンブバッタが小さな子どもをおぶっている様に見えますが、実は大人のオンブバッタの雌雄なんです。下のオンブバッタはメス、上に乗っているのはオスです(オスはメスと比べると半分ほど)。オスはメスの背中に乗って、メスを独占しようと頑張っています。ちなみにオンブバッタの幼虫はオンブ行動を取りません。
オンブバッタの体や脚は太短く、成虫になると羽根が生えますが飛行することはなく、もっぱら後ろ脚を使って「ピョンピョン」と跳ね回るような感じで不器用に飛びます。生息地は小さな公園の僅かな緑地、農耕地、空き地、民家の庭などさまざまです。
⌘ バジルが大好き♡
オンブバッタは、キク科やシソ科植物などが大好物なので栽培している野菜や花を食べてしまうことがあり害虫という一面も持っています。私の家の庭にはアオジソ・ナス・バジルが植えてありますが、いずれもエサになる為、オンブバッタをよく見かけます。特にバジルの葉っぱが好物のようで、よく食べています。追い払ってもすぐに戻ってきて食べています。
初夏の頃、現れるオンブバッタ幼虫はミニミニサイズで可愛いらしく殺虫剤をかけるのを躊躇してしまいます。その結果、丸坊主にされてしまった事が何度かありました。趣味で植えているだけなのであまり気にしないことにしています。
(左)オンブバッタ(右)ショウリョウバッタ。両種は良く似ているがオンブバッタは体がふとく短く足が短い。ショウリョウバッタは体、足ともに細く長い。またオンブバッタより大型(オス40mm前後、メス80mm前後)。/画:小山画伯
小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。
水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki