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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.21
カワラヒワ
DATA : ほぼ日本全国に生息する留鳥※。体長14cmほどでスズメ位の大きさ。翼と尾に黄色い帯模様がある。尾は二股に分かれる特徴がある。秋〜冬には集団行動をするため観察しやすい。漢字で「河原鶸」。
⌘ 河原に住む弱い鳥、という名
「ヒワ」とは日本に生息するアトリ科の鳥類に属する「マヒワ」、「ベニヒワ」、「カワラヒワ」の総称。飼育するとすぐに死んでしまう弱い鳥という事でと呼ばれるようになったそうです。漢字で書くと「河原鶸」、河原に広がる草原によく見られます。
⌘ 黄色い羽を持つ小鳥
一年を通じて身近に見られる小鳥です。しかし地味な色合いからスズメなどと混同されがちで存在感が薄い傾向が。飛行中のカワラヒワの羽根は黄色い帯模様が鮮明に観察でき、スズメとの違いがわかります。
鳴き声は「キリリリー」と独特の声。また太いクチバシが独特な可愛いらしい表情を作り出しています。
⌘ クチバシのヒミツ
カワラヒワは草木の種子を主食としていて、タデ類、アザミ類、イネ科植物など様々な植物の種子を食べます。これらの植物は河原などの草原にたくさん生えています。
特にタンポポの種子やヒマワリの種子は大好物。カワラヒワの太いクチバシは硬い種子を割る事に特化していて、ヒマワリの種子の硬い殻を割り中身を食べる事が出来ます。(鳥の仲間のクチバシは主食とする餌によって形状が違います)
⌘ 観察のチャンスは?
カワラヒワは秋〜冬に広い草原を中心に集団行動します。その様子は茅ヶ崎市内全域で観察することができますが、特に北部丘陵の雑木林に隣接した草原には多いようです。春の繁殖期には雑木林や民家周辺の樹上などにも営巣するので運が良ければ見ることができますよ。
小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。
水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki