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農業者は常に悩んでいる 伊右衛門農園の悩耕な日々

vol.2. 都市近郊農業の『強み』と活かし方。

都市近郊農業(特に神奈川県茅ヶ崎市の場合)の強みと言えば、なんといっても『多くの安定した住人の生活が側にある』(ベットタウンとも)事だろう。
『人が居て、生活がある』こんなに希望、勇気が湧く事はない。
よって同じ農業でも『産地』とは攻め方が違って然るべき。
そんな土地での強みを活かして続けていくには畑で栽培でどうのこうのと言うより、どれだけ市民生活を思い、寄り添えるかがキーポイントと思っています。
言っちゃなんですが、ここではひとり親であるがゆえ!?毎日毎食(中、高生の)弁当含め用意せねばならない立場が職業にも大いに役立つ。(※中学校は給食始まりましたが、楽はできるけど思春期サインを弁当から拾うチャンスを失うので、作ってます。結局、高校生のも作るし…笑)
スーパーでの買い物は何が売れて何が売れ残るのか参考になるし、そこからどこまで食費に使えるのか、自炊率なんてものまで伺い知れてしまう。また自炊することにより、自分の野菜の最も美味しい調理法(生、茹で、蒸し、焼き、揚げ)やらその火入れ詳細などを把握できる。
野菜を売るに
こんな経験(ぶき)は畑にはない。
そんな経験からからも改めて+αを持ってる野菜を生み出す機会を見つけようとしても、畑に答えなんて無いと思ってます。生産者というのはとりあえず置いといて、普通の食生活で普通に暮らす、生活を感じる。そこに、『真の新鮮』があるとはどう言うことなのか、どの様に生活に影響するのか。
体験から想う
ひと世帯の生活、そこで暮らす人々の尊さ。
社会(せいかつ)への思いを畑に持ち帰り悩み掘り下げ掘り下げて、じゃあ自分はどうする!?が生まれて都市近郊の地野菜は洗練されつづける。
『伊右衛門農園はブランド化の成功例』の様に言われる事がありますが、その言われように居心地の良さを感じません。なぜなら社会への想いと生々しい生活の中で考え、畑に反映してきたから。売れて、手元に渡って喜ばれ、結果的に愛され、認められてそうなったという自負があるから。
生活(=ひと)が多い分、恵まれただけとも言える。
ただ、そこに都市近郊農業『超』特化型のヒントの数々があった。(前号で触れたとおり好き好んで就農したわけではない私と違って)希望を持って就農した後輩たち。挫折して辞めてしまった方々もしばしば見てきました。作るはできても『売る』が下手だった気がします。
農を志す後輩たちへ
畑、農作業以外からもヒントを拾って、『都市近郊農業ならではの強み』を身につけて、+αを消費者の方々が感じられる野菜を目指し、またよく売って、就農当初に抱いていた希望を夢をより輝かせていってください。
ともに野菜の未来を!
伊右衛門農園の今旬は落花生!


塩加減の目安は、水2リットルに大さじ盛り1、沸騰の
状態から『新鮮なもの』なら
20分程度、粗熱が取れるくらいまで放置しておく事で
塩味が浸透する
三橋清高 Kiyotaka Mitsuhashi
伊右衛門農園で働く野菜栽培中毒者兼園主(特技は観察)。茅ヶ崎海辺の朝市の主要創始メンバー。茅ヶ崎市農業推進委員。5児のシングルファザー。自称・新鮮地野菜カンタン調理自炊王。感覚的には、「野菜を作る」というより、『野菜と人の未来』を創りたい。
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INFORMATION
伊右衛門農園直売所 香川7-10-23
住所 | 香川7-10-23 |
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営業時間 | 月〜金曜:9:30〜 なくなるまで。土曜は「海辺の朝市」にて8:00〜 販売 |
定休日 | 日曜休み |
URL | 伊右衛門農園FB |