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チガサキゴトよ、チーガ

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海街の本棚

坂田明 「クラゲの正体」

晶文社 一九九五年 絶版

海街の本棚

 読了。

 著者は有名なアルトサックスのジャズミュージシャン。ミジンコの研究にも凝っているという変わったイメージだったけれど、実はクラゲにも造詣が深かったようです。もともと水産学部出身の方だったのですね。

 中身は、いたってまじめな自然科学のお話です。形がいろいろと変わるクラゲの一生を知ることができます。しかも、挿絵のほとんどは、坂田さん自筆によるものです。

 前半は鹿児島のクラゲ博士とのマニアックな対談、後半は新江ノ島水族館のクラゲ飼育の関係者とのフィールドワーク形式になっています。生きたクラゲを採取してきて実験室の拡大鏡で観察します。クラゲは体の成分がほとんど水で、口と肛門が一緒。槍のような刺胞細胞を使って餌を取り込み排泄します。むやみに手ですくい上げたりすると、刺されることはもちろんですが、人間の体温はクラゲにとっては高すぎるので触られると火傷をして死んでしまうのだそうです。

 また、環境汚染によって、メスのクラゲにオスの生殖器が発生する事例があるとか。ミジンコと同じ無性生殖をする時期はクラゲにもあるそうなのですが、自然の摂理を人間が破壊している話はなんとも痛々しいものです。

 今、夏本番ですが、間も無く海水浴場にもクラゲがでてくる時期になります。茅ヶ崎の海でもカツオノエボシが打ち上げられているのをよく見ますが、絶対に触っちゃだめですよ。冷房も効いてるし、涼みがてら新江ノ島水族館に行くことをおすすめします。


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