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SATOYAMA育ち

農家、暮れの大仕事

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お餅屋さん?! 座敷にならぶのし餅

 私が子供の頃、年の暮れの大仕事は餅つきと大掃除でした。

 大掃除は天気の良い日に行います。庭にムシロを敷いて家具や障子や畳を外し、大きな笹で天井のすす払いをするのです。家族総出で一日がかりの大仕事でした(お昼はなぜか大鍋に野菜のたっぷり入った味噌味のおじやと決まっていました)。

 餅つきも大掛かり。こちらは子供の頃はとても楽しみでした。父の作ったもち米で、大家族と近所の親戚のお正月用のお供え餅と伸し餅を作ります。量がとても多いので、前日から相当な量のもち米を研ぎ、茹で小豆をサラシで濾して大鍋で煮たりと大忙しでした。

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今でも餅つきは夜が明ける前から

 当日は朝暗いうちからに火を入れ湯気が立ち上がるから蒸されたもち米を臼に移し、餅つきの開始です。女衆が手水を入れながら男衆が杵でつき、つきあがった熱い餅を、餅とり粉を敷いた木製ののし板に次々とのせて広げます。あっといううちに何十枚という伸し餅が座敷に並ぶのです。当時は粉まみれになりながら、熱々のつきたてを綺麗に伸ばすのは、結構大変でした。

 そんな餅つきの合間の私の楽しみは餅をつくの前の、おこわを頬張ること。熱々の固めのやつが美味しいのです!

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つきたてお餅が並ぶ暮れの食卓

 昼頃には作業も終わり、最後はみんなでお昼を食べます。ちぎった餅の入った大皿をテーブルの真ん中に置き、けんちん汁、大根おろしなどを並べ、自分の好みのお餅をお腹いっぱい食べました。(いちばん人数が多かった時で15人くらいでした) 

 20年ほど前までは、毎年そんな感じの年末をおくっていました。

 今でも暮れには地元産のもち米を使って餅つきをしますが、電気の餅つき機がやってくれ、市販ののし餅袋を使います。昔ほどではないにしろ、今でも座敷に並ぶのし餅は壮観です。


高橋浩美

髙橋浩美 Takahashi Hiromi
実家が茅ヶ崎里山で代々農家の野菜ソムリエプロです。実家での筍や大根の収穫体験BBQを通して里山の良さを伝えるべく「湘南の里山を楽しむ会」を主宰しています。野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食育インストラクター/命の食事アドバイザー/かながわブランドコンダクター/湘南ベジフルふぁんファン

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