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茅ヶ崎の北部丘陵 里山環境に住むマニアックな昆虫図鑑 file.4
コカブト
DATA ほぼ日本全国に分布するカブトムシの一種。南西諸島にも亜種が幾つか存在。茅ヶ崎に生息するのはヤマトコカブト。体長は20mm程で、ヤマトカブトムシとは性質が異なり樹液や果物などには集まらない。肉食性の異端児。広く浅く生息しているが狙って採集するのは難しい。
⌘ “じゃないほう”のカブトムシ「コカブト」
ほとんど知られていないことなのですが、本州にはカブトムシが2種類います。いわゆる「カブトムシ(ヤマトカブトムシ)」ともう一種“じゃないほう”の「コカブト」です。
「コカブト」は冬季は朽木や土の中に潜っています。脚には立派で太く鋭いトゲが備わっているので、潜り込むのに役立っているようです。活動が活発な夏でも樹液には集まらないうえに夜行性なのでポツンと単独でいることが多く、なかなか見つけることができません。特筆するとすれば、丈夫で長生き(成虫で1〜2年)なことです。また、孵化した幼虫は2ヶ月弱で成虫になります。これは10ヶ月かかるヤマトカブトムシに比べてとても早く、育てて増やすことも割と簡単ですよ。
1)特徴的な丸い凹みがあるのがオス。まるで拳で殴られたように見えます。
2)メスの凹みは一本筋が通ったような感じ。
3)オスを横から見ると、頭にツノがある事がわかります。サイの様な…なかなかイカしたツノ!!素晴らしい造形だと虫シゲは思います。
4)コカブト(甲虫全般)の体(画:虫シゲ)
⌘ 可愛らしい目に、サイのようなツノ、 そして、拳で殴られたような凹み
まずウルウルしたように見える大きな眼が可愛らしくて良い。そして短いツノで、まるでサイのような姿。潜るのが得意なので長いツノは邪魔だったのかもしれないですね。孤独を愛する目立たない性格ですし闘争も好まないので、なおさら必要性がないのだと思います。そしてまた胸部に見られる独特の凹みが面白い。
「コカブト」のメスはツノがないものもいますが、ごく短いツノが見られます。なので、ツノの有無だけでは雌雄判別が難しく、どこで判別するかというと真上から見た胸部の凹み方になります。
「オスは、グーの拳で殴られたような凹み。メスはチョップの凹み」と表現した方がいるのですが素晴らしいですね。オスはボコっと丸く凹み、、メスはスジ状に縦に一本の凹みがある、胸部の凹みかたを見れば一目瞭然というわけです。