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チガサキゴトよ、チーガ

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SATOYAMA育ち (その12)

父と作った「わっぱさみ」で柿を収穫した思い出

根元に枝を挟んでひねるように折ると実がとれる

 「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養があるので、柿は秋には積極的に食べたい果物のひとつ。

 素朴だと思っていた柿も、最近は種類も増え高級品もあり、その美味しさに驚きます。

 子供の頃、自宅の敷地に大きな柿の木があり、登ると折れるからとよく父に怒られました。

 みなさんがイメージする柿の木は、果樹園などの低く剪定されているものだと思いますが、実家にあった柿の木は、どれもも背が高かったのです。実家の柿の収穫時には毎年、裏の竹藪の真竹をとってきて父と「わっぱさみ」という道具を作りました。

 長い真竹の上端に、ナタで割れ目を入れて、中をVの字に少し削り竹の小枝をはめたものを作ります。柿の根元の枝を挟んでひねるように折ると実が簡単にとれるのです。

 父やおじさんたちが柿を収穫する際に、下に私や弟がいて受け取ったり、落下したものを拾ったり。子供にとっては楽しいお手伝いのひとつでした。

 収穫を終えて裸になった柿の木にはなぜかひとつふたつ実が残されていて、父に聞くとそれは「木守(きまも)り」だよ、と教えてもらいました。鳥のためだけではなく(笑)、来年も実りを約束してくれる木守りさんに供えて、柿だけではなく全ての作物の豊作を祈っているのだそうです。

 今は「高枝切りバサミ」という高度文明を使うので「わっぱさみ」は使いません。今回は、撮影用に作ってちょっと収穫のまねごとをしてみましたが、改めて良くできているなぁ、と思いました。昔の人はすごいですね。

黄色い○で囲った高い場所になっている柿を
「わっぱさみ」を使って収穫します


高橋浩美

髙橋浩美 Takahashi Hiromi
実家が茅ヶ崎里山で代々農家の野菜ソムリエプロです。実家での筍や大根の収穫体験BBQを通して里山の良さを伝えるべく「湘南の里山を楽しむ会」を主宰しています。野菜ソムリエプロ/冷凍生活アドバイザー/食育インストラクター/命の食事アドバイザー/かながわブランドコンダクター/湘南ベジフルふぁんファン

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