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チガサキゴトよ、チーガ

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海街の本棚 《最終回》

ディヴィッド・L・ユーリン / 井上里訳

「それでも、読書をやめない理由」

柏書房 二〇一二年

 

 この「海街の本棚」のコーナーも今号で最終回となりました。これまで拙い選書と駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

 最後にご紹介する本は、まさに読んで字の如しの一冊です。冒頭、著者の息子の課題図書から話が始まり、本の読み方について良いことがいろいろ書いてありました。例えば、

『誰の本を読むかはたいして問題ではない。読書を発見への旅ととらえ、自分の内面世界の発掘ととらえることだ』

 これは、ジャンルにこだわらない読み方をする人には身を寄せたくなる一文ですね。

『ひとりひとりの受け止め方は、それぞれ違っていてよいということだ』

 これは、以前、このコーナーでご紹介した小林秀雄先生も同じことを仰っていました。

 そして、再読することについては、

『良かれ悪しかれ、現在と過去に向かいあうことになる』

 再読することで、自分がどれだけ変

わったかを知ることになるということらしいです。

 最後は、インターネットやSNSの話が出てきて、情報に向かい合う人間の姿勢に変化が起き始めていると説いて、テクノロジーが脳の回路を配線し直していると言っています。

 一瞬のうちに情報が手に入る社会にいて、時間をかけて読書をするということは、どういう意味をもつのか。答えは今までご紹介した文章の中にもあると思いますが、自分は、本が好きで、これからもたくさんの本に巡り会い、読書に没入したいと再確認した一冊でした。(完)


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