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きのうきょうあした
描きおろし&エッセイ
絵本作家 おおいじゅんこ
こどもの頃 〜團十郎山の基地〜
絵本を作る時。ラフ作りに行き詰まり困っていたら、編集者さんがこんなヒントをくれました。
「おおいさん、こどもだった頃の自分に聞いてみてください」。さすが、言うことが洒落ています。なるほど。
絵本のお話を作るにあたり。絵は頭の中に自由に描けるけれど、お話はうーうーと、悩みに悩んで、なんとかまとめる…というのが私の場合、毎回繰り返されています。
こどもの頃。ぱっと思う風景は、團十郎山の大きな松の木の根元の自分の基地(九代目市川團十郎の広大な別荘地だったことから團十郎山といわれるらしいです)。松ぼっくりを拾ってきて貯め込んだり、松葉をかけてそれを隠したり。
團十郎山は当時はまだ公園として整備されていなくて小高い丘の松林に鬱蒼と草が茂り、遊具などは無く、奥の方はこどもだけで行くにはちょっと怖さもありました。なので姉や弟、近所のこども達でわいわいと行き、遊ぶのが常でした。おにごっこしたり、かくれんぼしたり、おままごとしたり。
白いキノコ。手が紫に染まってしまうブドウみたいな植物。(ヨウシュヤマゴボウというらしい)。ツルが伸びた葛。ススキに萩の花。ニセアカシアの木。團十郎山のちょっと先には剣道の道場もあって、その奥の庭に鹿がいた記憶も。
「おまわり公園」と呼ばれている平和町第一公園の辺りまでも團十郎別荘の敷地だったなんて。すごいなあ。おお。いろいろと思い出すとすっかりワクワクしてきたぞ。
そういえばニセアカシアも茅ヶ崎では見かけなくなった。葉っぱをちぎって「すき きらい すききらい……すき!」という様な葉っぱ占いも懐かしい。(ちなみに茅ケ崎市の木は「アカシア」ですね。これはきっと昔は茅ヶ崎に「ニセアカシア」が多かったからなんだろうな。と思います。)
こどもの頃を思い出す作業は何とも楽しいなぁ。
※團十郎山は現在の平和町公園になります
新刊がでまーす
2月下旬刊行
「あかちゃん あかちゃん」
ハッピーオウル社
1,430円(税込)
http://happyowlsha.com/books_html/akachanakachan.html
作者より この本を作るときに、保育園に行き、こどもたちに読んでみました。すると、すぐにこの本を好きになってくれたのは0.1.2歳の「あかちゃん」たちでした。 「いいこ いいこ」のところでは絵本のあかちゃんをなでなで。「バナナをたべようね はいどうぞ」のところでは自分も、もぐもぐ。してくれました。
おおいじゅんこ/茅ヶ崎市生まれ/県立北陵高校東京藝術大学 大学院/ 1997 年「星の都絵本大賞」大賞絵本作家として活動をはじめる。作品多数
INFORMATION
URL | http://happyowlsha.com/books_html/akachanakachan.html |
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