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茅ヶ崎の北部丘陵里山環境に住むマニアックないきもの図鑑 file.23
ハルジオンとコアオハナムグリ
DATA : ハルジオン/草丈30〜80cmほどの多年草。原産地は北アメリカ。1920年代に鑑賞植物として渡来、以降野生化しほぼ日本全国に定着した帰化植物。開花期は4〜6月。コアオハナムグリ/体長11〜16mm。日本全国に棲息する。様々な花に集まり花粉を食べる。体色は緑色の個体が多いが赤銅色〜黒色に近いものまで色彩変異がある。成虫で越冬し5月〜10月頃まで見られる。
⌘ きっかけは鑑賞用
北アメリカ原産のハルジオンは元来、鑑賞用として日本に入ってきましたが強い繁殖力で全国に分布しています。土手や空き地、草原などあらゆる場所に見られ、今となっては太古の昔から日本に棲息していたかのよう。雑草として厄介者という側面がありますが訪花性昆虫(花の花粉や蜜を目当てに集まる昆虫)が多く集まるので昆虫観察に最適な花の一つです。よく似た種類に「ヒメジョオン(ヒメジオン)」がありますが開花期が6月以後である事や花弁が太いなどの違いがあります。
⌘ コアオハナムグリとハルジオンの関係
ハルジオンの花粉を食べるコアオハナムグリはハルジオンの「受粉」の手伝いをします。全身には細かい毛が生えていて花に潜る度に「花粉まみれ」に。そして次々と他の花を訪れる事で受粉していきます。もちろん、コアオハナムグリに限定されいるわけではありませんが、日本の訪花性昆虫との関係がうまく行ったこともありハルジオンは爆発的に増えたのかもしれません。
⌘ 実はあの図柄にもなっています
コアオハナムグリの大好物は花の花粉です。花に潜り込む様子から「花モグリ」→「ハナムグリ」と呼ばれるようになりました。コアオハナムグリは「小さくて青い(緑色)ハナムグリ」ですね。「タンポポの花の上にコアオハナムグリが乗っている様子」が10円切手の図柄になっていて意外と有名な虫なんです、エヘン。
⌘ コアオハナムグリはどこにいる
5月頃に里山公園付近や小出川沿いの畑や水田周りなど陽当たりの良い低い草原の様な場所がベストです。ハルジオン、タンポポなどの花を見回ると見つける事が出来ますよ。
小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。
水彩画 / 河野祐子 kono yuko instagram@yukochigasaki