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チガサキゴトよ、チーガ

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茅ヶ崎の北部丘陵 里山環境に住むマニアックな昆虫図鑑 file.1

アカマダラ

アカマダラハナムグリ

DETA 体長約20mm。クヌギ、コナラを中心とした雑木林に生息し、5〜9月に広葉樹の樹液に見られる。コガネムシ科。かつてはアカマダラコガネと呼ばれていたが、現在はアカマダラハナムグリと改名された。

⌘ 猛禽類の巣、という特殊な環境で育つ

 カブトムシやカナブンなどの一般的な甲虫は、朽木や腐葉土、堆肥の中などに産卵、幼虫はそれらを食べながら成長します。しかしアカマダラハナムグリは、ワシやタカなどの猛禽類の巣に卵を産み、繁殖します。巣内で卵から孵化した幼虫は、腐食化した古い巣材や、ひな鳥の残した肉片などを食べながら幼虫時代を過ごします。安定して繁殖するには、良好な雑木林が必要になります。ワシやタカは生態系ピラミッドの頂点に位置する動物です。頂点に位置するという事は個体数も少なく、つまりは巣自体が希少だという事になります。茅ヶ崎の北部丘陵地域には、このような環境がまだまだ保存されていますから、さまざまな昆虫類が棲息しています。

⌘ 孤独を愛する準絶滅危惧種

 アカマダラハナムグリは、猛禽類の巣という、特殊な環境でしか繁殖出来ないことから奇虫と呼ばれています。かつてはそれほど珍しい虫ではなかったのですが、現在個体数が少なく神奈川県内の準絶滅危惧種に指定されています。

 一般的にカナブンやコガネムシは金属光沢を持つ派手な色のものが多いのに対し、アカマダラは艶消しで控えめ(地味)な、独特の色合いを有しています。樹皮の色にも似ているので液を吸う際も周囲の色合いに溶け込んでいますから、発見は困難を極めます。良好な雑木林が少なくなり猛禽類が減った事や、樹液酒場※を形成することに一役かっていたシロスジカミキリなどが減少したこともアカマダラの減少理由となっています。

昆虫図鑑

1 )生息場所は成虫の餌となる樹液が良く出る、明るく手入れされたクヌギ・コナラ林

昆虫図鑑

2 )樹皮と同化しながら孤独に樹液を吸う様子 

昆虫図鑑

3)頭を下にしてクヌギ樹液を吸う様子、樹皮と同化し外敵から身を守っている 

昆虫図鑑

4)一見して小さく、地味な色合いのアカマダラハナムグリ。「奇虫」と呼ぶにふさわしい独特な生態で、真の「虫好き」を虜にする魅力を秘めている 

5 )2mmほどのアカマダラハナムグリの卵、猛禽類の巣に卵を産む※樹液酒場:シロスジカミキリなどにより食害を受けた樹皮から樹液が染み出た場所。樹液には夏の間、カブトムシやカナブンなど多くの昆虫が集まることからの通称。


昆虫図鑑

小山茂樹 koyama shigeki
1972年生まれ、茅ヶ崎市勤務。県内絶滅種のヤマトオサムシダマシを2009年に茅ヶ崎市内にて再発見し、累代飼育方法を確立した。『月刊むし』『昆虫フィールド』など専門誌に不定期に執筆。アメブロ 「虫シゲ」で検索ください。

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