描きおろし&エッセイ

絵本作家　おおいじゅんこ

飽きもせず　好きなこと

〜 細く長く少しずつ 〜

　私は何かを作ったり絵を描くことが好きで、そればかり飽きもせず続けて今に至ります。いつまでも飽きないし更に好きになっていくものが見つかって、我ながら幸せなことですね。

　私はそういう性癖を子どもの頃、自分で認識はしていませんでした。自由帳にお姫様やうさぎの絵を描きまくっていたし、図画工作もとっても楽しみだった。でも、それが好きとか、そんな認識はなかったのです。

　浜須賀小学校5、6年生の時の担任、M先生が母に伝えた何気ない言葉。

「じゅんこさんは、絵をかくことがとっても好きだと思いますよ」

その言葉がキッカケでわたしは絵画造形教室へ通うようになり、毎週毎週そこへ行くのが楽しすぎて物を作ったり絵を描くことに、どんどんはまっていきました。

　絵画造形教室の先生の名言もあります。

「じゅんこちゃんはそんなに絵が上手ってわけじゃないけど。とにかく描くことが大好きよね。その、大好きってことが才能かしらね」

（ちなみに、先生は東京藝大の油絵科を卒業されています）むむむむ。そんなに上手じゃない。だけど、絵が大好き。なかなか良いところに気づいていらっしゃる。

　好きに気づいてそれをもっともっと掘っていくと、ぐんと深い楽しさや気づきがありました。こどもの頃から絵を描いて、テストの紙の裏にも時間が余ると絵を描いて、受験勉強で絵を描いて、大学でも絵を描いて、就職してからも絵を描いて子育てしながらも絵を描いて。まあ、我ながら細く長く続けてきたものです。

　お子さん達のキラキラ瞬間を目撃した大人は是非とも

「○ちゃんは、○が上手だね！」

「○さんは、○が好きなことでしょう？」って。声かけを是非！ それがキッカケで人生かけて深く深くほっていけることがあるかも。

　大人になった私であっても、今の好きを追求するとささやかな幸せが蓄積していく気がします。

　今回の内容は9月に急逝した母へ。好きなことをやらせてくれて、ずっと応援してくれてありがとう。

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クッキーひめの周りには、コックさんの作ってくれた宝物がたくさんあります。けれど、なんだかクッキーひめは、つまらない…。「あ、そうだわ! わたしにもクッキーを作らせて! 」そうしてクッキーひめの作ったものは、な・な・なんと ！クリスマスにピッタリのかわいい絵本。

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