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きのうきょうあした
描きおろし&エッセイ 絵本作家 おおいじゅんこ
たまごを買いに
〜 松が丘にあった養鶏場の話 〜
今回のcheeega特集はちがさき牛、茅ヶ崎の畜産業ですね。 今は茅ヶ崎の北部を中心に牛舎や鶏舎がありますが、以前は南部にも養鶏場がありました。
私が子どもの頃。それもだいぶ小さな頃。幼稚園生くらいでしょうか。松が丘二丁目、浜須賀中学校の東北側の小道を入って行った奥にあった養鶏場のお話。
「じゅんちゃん、卵買ってきてくれる?」母に渡された小銭をそのまま竹ザルにチャリンと鳴らし入れて、てくてくと出かけます。(大人が歩けば家から3分もかからない距離)舗装されていない坂の砂利道を登った先が養鶏場。コッコ コッコ コッコとニワトリの鳴き声が聞こえます。
お宅の玄関先に行き「卵くださいなー」と言うと竹ザルを計りにのせて卵を入れてくれます。
今となっては歩いて行ける場所で量り売りで卵が買えるなんて信じられない贅沢だけど。
そして卵が割れない様に帰り道はザルを両手で抱えて慎重に歩きます。
ある時。そんな風に母のお使いで「卵くださいなー」と出かけた養鶏場の庭先に驚愕のビジュアル。死んだニワトリが逆さまに吊るされていました。
それからです。私はとにかくニワトリがコワイ気持ち悪いというトラウマ。特に子ども時代の二大悪夢と言えば。
ニワトリが大量に追いかけて来て「キャアーっ」と起きる〈タイプ1〉。ニワトリが追いかけて来てそいつがどんどん大きくなって「キャアーっ」と起きる〈タイプ2〉
ケイトウの花さえ直視出来ない。クリスマスのチキンもゾッとして食べられない。しかし、そんなニワトリコワイ病も完治はしないものの歳を重ね今ではケイトウの花も綺麗だと思えるし、ケンタッキーもファミチキも抵抗なく美味しく食べられる。
でも、未だに直視が出来ない。特にトサカがやばい。コワイよう。
絵には描けるけど…。上手には描けないな。だって直視出来てないのに描けるわけがない。
子どもの頃ってコワイものがたくさんあったな。皆さんは何がコワイですか?
ちびころおにぎり
でかころおにぎり
おじいちゃんちへいく
教育画劇 1,210円(税込)
おおいじゅんこ 作絵
でかころおにぎりは パパさんが作ったとっても大きなおにぎりです。おじいちゃんちの蔵には身体にとっても良い保存食がたくさん。日本の伝統的な食べ物も知ることができる絵本です。
おおいじゅんこ/茅ヶ崎市生まれ/県立北陵高校東京藝術大学 大学院/ 1997 年「星の都絵本大賞」大賞絵本作家として活動をはじめる。作品多数