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宮治淳一のワンス・アポン・ア・タイム・イン・チガサキ
其の九
茅ヶ崎の工場今昔物語。
「MAISON CACAO FACTORY」が気になる
40歳になるまで東海岸北4丁目に住んでいたため国道1号線の茅ケ崎から西に関してほとんど馴染みがなかった。
それでも小学校の時の歩き遠足には社会見学と称し今も操業している明治乳業の工場(下町屋)を訪問、確か近くの昭和堂のパン工場でジャムパンをもらって食べた記憶がある。サカタのタネとかもあったと思う。
現在は新湘南バイパス茅ヶ崎西IC付近に移動している、かつて茅ヶ崎市の最西端相模川の橋のたもとにあった「海道一でかまん」まで自転車をこぎ名物の饅頭を買いに行ったことがある。行き帰りで1時間はかかった。
まだ隣町平塚同様、東京から50キロ程度の距離にあって土地も広く安価な労働力に恵まれた茅ヶ崎北西部には結構な数の工場が各種存在した。
その中でも思い出深いのは「旧相模川橋脚」遺跡の東隣現在二トリが建っている場所にかつてあった「アングロ・スイス・チョコレート」の工場。私の叔父がそこに勤めていてよく主力商品のゴルフ・ボール型チョコレートをもらった。当時明治の板チョコがせいぜいだった我が家に西洋の風が吹いた。端が欠けて売り物にならない欠陥チョコレートが有るとの報があると勇んでもらいに行った。調べてみるとアングロ・スイスは世界有数の食品メーカー、ネスレ・グループの一員として現在も操業している。
チョコレートといえば元アングロ・スイス茅ヶ崎工場跡から歩いて数分のところに「MAISON CACAO FACTORY」の工場が近年建てられた。なんでも鎌倉発祥の生チョコレートブランドとして知られた存在だそうな。国道1号線沿いなので車で通りかかった時工場を眺めてみると、すっきりとしたオール・ブラック仕様で工場らしくなくカッコいい。
月一回土曜日にマルシェをやっているとのことなので一度行ってみることにしよう。
編集部より
「MAISON CACAO FACTORY」に問い合わせたところ、2月のマルシェはなく、次回は3月18日(土)8〜11時とのことでした。住所は、茅ヶ崎市今宿1314の1
Once upon a time in BGM
〜「アングロ・スイス・チョコレート」の茅ヶ崎工場が建てられた昭和36年の素晴らしい楽曲〜
宮治淳一 Jyunichi Miyaji
1955年茅ヶ崎市生まれ。ラジオDJ、音楽プロデューサー。現在ワーナーミュージック・ジャパンで洋楽編成を担当。「ミュージック・ライブラリー&カフェ ブランディン」を経営する傍ら、ラジオ日本「宮治淳一のラジオ名盤アワー」( 毎週日曜 17:55〜 18:55)、湘南マジックウェイブ「宮治淳一のアワ・ヒット・パレード」(土曜 13:00〜14:00)のラジオDJを担当。サザンの名付け親。「ミュージックシティ・茅ヶ崎」を構想中…。
『茅ヶ崎物語〜MY LITTLE HOMETOWN〜』
(ライブ・ビューイング・ジャパン)書籍
『MY LITTLE HOMETOWN 茅ヶ崎音楽物語』(ポプラ社)
DVD
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(ライブ・ビューイング・ジャパン)
BRANDIN(ブランディン)
宮治夫妻が1999年にオープンしたミュージック・ライブラリー&カフェ。コーヒーを楽しみながら60〜70年代のポップ・ロックを中心としたアナログLP約1万枚を自由に聴くことができるほか、いまとなっては希少なジュークボックスでの音楽再生も可能。
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富士見町1-2
☎️0467-85-3818
水、木休 13:00〜18:00 (不定休あり)
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