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チガサキのたくらみごと

“きれいごと”で
茅ヶ崎はもっと面白くなる!?

vol.08 iori(いおり)曉美と五月
園部曉美さん・中園五月さん

23年間続けていたら、
「野菜のとき」がやって来た。
世界平和だって、
まずは自分が楽しむことから。

「地球のために」「次世代のために」といった”きれいごと“を堂々と語り、未来に向けて行動する。そんな「たくらみごと」が今、茅ヶ崎のまちで次々に沸き起こり、波紋のように広がりつつあります。
そんな茅ヶ崎の未来を”きれいごと委員長“かわていさんとともに
紐解いていく本コーナー。今回のゲストは、誰でも気軽に楽しめる
精進料理教室を開く姉妹ユニット「iori」です。
導かれるように精進料理の世界に入り、20年以上に渡る活動を経た今、
”ときが合うようになった“と言うふたり。物静かで芯の強さを感じる曉美さんと、オープンマインドで聡明な五月さんの絶妙なコンビネーションをお楽しみください。

精進料理の食材は仲良し。
だから料理が楽!

川廷
左から 園部曉美さん、かわていさん、中園五月さん

か:おふたりは、ご自身の感性や考えをしっかり持って、命を支える一番大事な食のことを発信されていますよね。なぜそもそも精進料理を始められたのですか?

五:導かれちゃったんですよ。近所に精進で暮らしている家族がいるという噂を聞いて興味を持って、「お会いしたい」とラブレターを書きました。

か:ラブレター! 好奇心旺盛なんですね。

五:はい。家に来てもらって話をしたら、その方が「私たちは神様につくられた。神様は精進で暮らしなさいと言っているんですよ」とおっしゃって。私、子どもの頃から肉も魚も「食べるものだ」と言い聞かせてきたところがあったので素直に「やろう」って決めて、お姉ちゃんにもすぐ電話しました。23年前のことですね。

か:曉美さんは、どう感じられました? 

曉:私も「やっぱりな」という感覚で受け取って、ふわっと「やってみよう」と思いました。教室に通って1年間自分だけでやってみたら、すごく良かった。体重じゃなくて体が軽くなったんです。だから2年目からは家族も一緒にやろう、と。

か:僕は正直、精進料理を良く知らないのですが…。食材はお馴染みのものなんですよね?曉:私たちの料理会の約束は、たった3つです。殺生しないこと、五葷(ネギ、ニラ、ニンニク、アサツキ、ラッキョウ)をいただかないこと、お酒を使わない・飲まないこと。

か:植物でもいただかないものもあるんですね。

曉:五葷は人間の五臓とそれぞれつながっていて、臓器を痛め、人の気も荒らすと言われているんです。つまり精進って、自分を大事にするということでもあるんですね。

五:「自分だけが大事」でもなく、「相手だけが大事」でもない。やってみると、体でバランスを取っている感じがわかりますよ。それに何より、最初からすごく面白かったんです。スーパーに置いてあるものでつくっていくのに、今まで見たこともないような料理ができて。

曉:お豆腐なんてそれまでは冷奴とか湯豆腐くらいしか食べませんでしたが、精進では主役になってくれる。潰したり混ぜたり、それを焼いたり、すごいなぁ、って。

か:料理会の参加者の方の反応はいかがですか?

五:みなさん、「簡単」と言って喜んでくれますね。私も結婚したときは料理ができなかったんですが、精進を始めてから「料理が楽だな」と思いました。精進料理の食材は仲良しなんです。どれをスープに入れても美味しくて、間違いない。

か:主張が強くないから調和するんですね。

五:そうそう。それが、私ができる世界平和です。言うことが大きいってお姉ちゃんには怒られますけど(笑)。

食べ物の愛おしさを、
茅ヶ崎から世界へ。

川廷

か:おふたりの、精進によってできている笑顔に、見る人はホッとするんだと思います。本の表紙も、いい雰囲気だな、と拝見しました。

五:ありがとうございます。でも表紙は恥ずかしくて、決心するまで時間がかかりました(笑)。料理教室は「生徒さんがたとえひとりでも続けようね」って小さく始めたものだったので、これからも大きな事業を目指すのではなくて、ひとり、ふたり、と広がって、気づいたら世界中に、なんてことになったらいいな、と思います。

曉:みんなの願望とお野菜を食べることが自然な流れで一致して、広がっていくといいですね。

五:そうしたら茅ヶ崎の畑と田んぼも残りますよね。私、今どんどん畑が消えて家が建っているのを見て、ドキドキしています。

曉:やっぱり土がなくちゃダメですよ。だって遠くから来た野菜よりも茅ヶ崎産のほうが元気ですし、ここに住んでいる私たちの体に合っていると思うんです。里山の方なんてすごくいいロケーションなので、自然を残すように考えていきたいですね。

か:そうですね。SDGsは国連が定めたものですが、そこに暮らす人々の幸せや生活を支えるのは自治体の使命ですので、自治体単位で考えていく必要があります。茅ヶ崎市長の佐藤光さんも、次世代のために自然が循環する茅ヶ崎らしいまちづくりをしていこうと考えている。この連載も「茅ヶ崎いいじゃん」って思って読んでもらえたらと思います。

五:茅ヶ崎はそういうことを語る人が多いですよね。

か:特に多い気がします。自分からいい流れをつくることをやりやすいまちなのかな、と思うんです。茅ヶ崎で起こっていることが全世界に広がっていけばいいな、と。

曉:たとえば、お庭でもベランダでも、土を残しておける場所を一人ひとつ持ってちょっとでも野菜をつくれば、食べ物も自然に大事にしますしゴミも減ると思います。

か:僕もコンポストを始めたんですが、生ゴミが減って、堆肥から芽が出てきてカボチャだと思っていたら何とメロン。食べてみたら甘くなかったですが、愛おしく感じました。

曉:そういう食べ物の愛おしさや楽しさはみんなに伝わっていきますよね。

「楽しいよ」という波動は、みんなに伝わる。

川廷

曉:何事もときが合わないとうまくいかないものですが、今は「野菜のとき」なのかもしれませんね。環境を身近に感じる人も増えてきましたし、みんなだんだん相手のことを考えられるようになってきた。23年前とは違います。だから私たちも今このときに合った発信をすればいいのかな、って。

五:大豆ミートなんて、小学生の男の子にも人気なんですよ。茅ヶ崎市中央公園のお祭りで大豆ミートの唐揚げを売ったら、長蛇の列ができてしまって。

か:時代が合ってきた、という感じですね。

曉:そうですね、私がやりたいことは精進だったかと言われるとまだわからない。でも今このときはこれだと思っているので、そう思える間はやっていこうと思っています。そしてみんなにも「楽しいよ」という波動を送る。そういう小さいことなら私たちもできるかな、って。やりたいこととできることって違いますからね。

か:僕も上司に「やりたい仕事とハマっていく仕事は違う」と言われたことがありました。実際20年くらい前とは違う自分がいます。そしてやり始めたら、それがまわりにも伝わりますよね。僕は今すでに、おふたりに影響を受けています(笑)。

五:わぁ、うれしいな。共有していきましょう。共有って減らないからいいですよね。

か:みんなに伝わる足音が聞こえていますよ。おふたりは、神様に役割を担わされたんですね。

曉:そうだとしたら、この仕事をまっとうしていきたいです。

五:神の使いの天使です。失格にならないようにがんばらなきゃ(笑)!


iori 曉美と五月

姉・園部曉美さん:海老名市在住。妹・中園五月さん:茅ケ崎市在住。7人兄弟の長女、次女として生まれる。1997年より精進料理生活を開始し、2008年「精進料理の会」をスタート。2021年2月現在、リモート料理会を不定期開催中。詳細、申込みは、LINE(五月さんID:ungaiiarigatou、曉美さんID:akemiiori23)まで。


書籍『おばあちゃんの
精進ごはん』好評発売中

写真家・濱津和貴さんとともに、2013年に『おばあちゃんの精進ごはん』、2016年には『おばあちゃんの精進ごはん その2』を出版。茅ヶ崎市内の納屋キッチンRivendelを舞台に、楽しく簡単な精進レシピを紹介している。

川廷
川廷
各1,650円
マイルスタッフ出版

かわていさん

きれいごと委員長
かわていさん

川廷昌弘(かわてい・まさひろ)。「きれいごとで勝負!」をキーワードに世界を股にかけて活動する茅ヶ崎人。博報堂DYホールディングス グループ広報・IR室CSRグループ推進担当部長、環境省SDGsステークホルダーズ・ミーティング構成員、神奈川県非常勤顧問。2019年12月より「茅ヶ崎市SDGs推進アドバイザー」に就任し、茅ヶ崎らしいSDGs推進をたくらみ中。

“きれいごと”とは
みんなが本当はこうした方が良いと思っている「きれいごと」。そのままに行動するとこれまでは揶揄されましたが、これからは未来世代のための行動を褒め称える社会をつくっていきましょう! 


かわていさん

SDGsは、2030年までに持続可能な社会を実現するために世界が合意した国際的な目標。2015年9月の国連総会で採択された。「貧困の撲滅」から「パートナーシップ」まで、社会、環境、経済の3つの側面が含まれた17の目標で構成されている。SDGs自体を目的化せず、コミュニケーションツールとして使いこなすことがポイント。


writer:池田美砂子
フリーランスライター・エディター。茅ヶ崎市在住、2児の母。
大学卒業後、SE、気象予報士など会社員として働く中でウェブマガジン「greenz.jp」と出会い、副業ライターに。2010年よりフリーランスライターとして、Webや雑誌などメディアを中心に、「ソーシャルデザイン」をテーマにした取材・執筆活動を開始。聞くこと、書くことを通して、自分が心地よいと感じる仕事と暮らしのかたちを模索し、生き方をシフトしている。

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